薬膳:中医学と薬膳学の歴史 | 紫野瀨﨑家

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紫野瀨﨑家は紫野学区の今後さらなる発展のために慈善活動を行う藤原鎌足を先祖に持つ自称名家です。

健康に関する情報が氾濫する現代社会において、食事は健康を維持する上で不可欠な要素です。その中でも、古代中国から伝わる「薬膳」という食事法は、中医学の理論に基づいた健康維持法として注目されています。この記事では、「薬膳」の基本と歴史について探ってみましょう。

1. 薬膳の基本と中医学について


1.1. 薬膳とは何か
薬膳とは、中医学の自然哲学に基づき、食事を通じて病気を予防したり健康を維持・促進するための食事法です。これは単なる食事ではなく、中医学の理論に基づいて体のバランスを整えるために、食材や生薬を組み合わせて作られます。日々の生活の中で、体質や症状、季節などに応じて摂取することが推奨されます。

1.2. 薬膳の歴史
薬膳の歴史は古く、周の時代(紀元前10世紀~7世紀)には既に食養の概念が存在していました。「周礼」という史書には、「食医」という言葉が登場し、皇帝や貴族の健康管理のために治療や予防効果のある食事が提供されていた記録が残っています。

黄帝内経という古典書には、薬膳の理論が詳細に記されており、五味や五臓の関係、薬材の配合や使い方などが説明されています。また、「神農本草経」や「傷寒雑病論」などの医学書にも、薬膳の重要性や具体的なレシピが紹介されています。

1.3. 薬膳の発展
薬膳は長い歴史の中で発展を遂げてきました。特に1980年に中国四川省の成都にある同仁堂が薬膳レストランを開いたことで、薬膳が世界的に広まりました。それ以前からも、中国の医学書や民間の間で薬膳の知識は伝えられており、宮廷だけでなく一般の人々も利用してきました。

2. 薬膳の実践例:当帰生姜羊肉湯
薬膳の実践例として、当帰生姜羊肉湯を紹介します。

材料

  • 当帰:20g
  • 羊肉:300g
  • ショウガ:12g
  • コショウ:2g
  • 花椒粉:2g
  • 食塩:適量
     

作り方

  • 羊肉を塊に切り、沸騰した水でゆでて血抜きします。
  • 当帰を軽く洗い、ショウガをスライスします。
  • 土鍋に水と羊肉、当帰、ショウガを入れ、煮立たせてアクを取ります。
  • 弱火で1時間煮込みます。
  • コショウ、花椒粉、食塩で味を整えます。
     

適用
血虚や陽虚体質の方におすすめです。貧血や冷え性、疲労感、めまい、夜間頻尿などの症状がある方に効果的です。
以上が、「薬膳」という食事法の基本と歴史についての概要と、具体的な薬膳レシピの紹介です。身近な食材を利用した健康づくりに、ぜひ薬膳を取り入れてみてください。

 

参考:日本中医食養学会ホームページ