1994年11月22日にセガサターンが発売されてからなんと28年の月日が流れた。SSについてはすでに詳しく触れているが、私の長きに渡るゲーマー人生の中で最も愛したハードが何を隠そうSSなのである。なので、非常に思い出深いハードであるのだが、発売した頃はそこまでゲーム熱も高くなく、まだ現行機で満足していたのでいきなり買う事はなかった。
何より、当時の感覚で44800円と言うのはべらぼうに高かったのである。これが税抜きだったのか否かは覚えてはいないのだが、税抜きであれば単純に現行のPS5のデジタルエディションとほぼ同価格である。当然、東京都の最低時給が634円の頃の話であるから、今の感覚で言えば70000円超えぐらいである。
さらに、この時は実は本当の定価は49800円であり、発売から半年はキャンペーン価格で5000円引きだったというのだから、実際はもっと高い。なので、いかに期待されていたハードとは言え遊べるソフトがバーチャファイターぐらいしかない時代にいきなりソフト込みで50000円以上出せるか、と言われたらさすがにそれは厳しいと言わざるをえなかった。
しかし、大抵のゲームマニアはすでにその圧倒的な性能を把握していたので、大方のファンはその価格に「まあ仕方ないな」と納得せざるを得なかった。まあ、その10日後ぐらいには初代PSが39800円と、SSよりも割安で発売されるのであるが、当時の感覚としてはSSの方が高性能的なイメージもあったので、5000円差と言うのはまあ許容範囲でもあったのだ。
ただ、当時は当然ネットでの体験版などもなく、YouTubeで事前にプレイ映像を見るなんてこともあり得ない時代であったので、つまりはほとんどの場合買わないと面白いか否かが選別出来なかったのだ。当然、ファミ通などのクロスレビューなどは存在しており、今よりも遥かに頼りにせざるを得なかったのであるが、ゲームメーカーは大スポンサーであるため、いわゆる忖度なものも少なくなく、隔週刊時代ほど信用できるものとは言えなかった。
なので、一本6000円近いソフトを雑誌の事前情報のみで買うというのも大変な博打だったのだ。しかも、黎明期のSSソフトはまだ現行機の価格をそのまま引きずっており、バーチャファイターでさえ8800円と言う代物だった。それでもSFCソフトが1万円超えしていた事もあって、それでも割高感はなかったのであるが、PS陣営がほぼ5800円均一と言う、当時としては破格の値段で発表してきたので、以降のSSもそれに合わさざるを得なかった。ユーザーにとっては万々歳であるが、そもそもROMカセットとディスクメディアの原価を考えたら安くて当然である。