ドーム大会の場合は当時から規制退場であったかと思うが、客が待っている間に田中ケロリングアナがトークで和ませてくれた。その直前だったかと思うが、突然「猪木VS天龍」戦はテレビ放送されません、との衝撃のアナウンスが。つまり、まだスキャンダルが尾を引いており、テレビ放送ではこの一戦の事は全く告知されなかった。つまり、テレビ放送のみのファンにとっては最初から「なかったこと」になっているのである。
なので、実質セミの「橋本VS蝶野」事の電光掲示板に、「メインイベント」とはっきり示されていたのも、テレビ的に不自然にならないようにするための配慮だったのかも知れない。ただ、もちろん映像には収められているので、大会から2〜3週間後ぐらいに当時新日本が発売していた「闘魂Vスペシャル」の特別版として発売される事がすぐに雑誌にて発表された。
いくら闘魂Vシリーズが通常のセルビデオよりかは安いとは言っても、本来タダで見れるファンにとっては余計な出費以外の何物でもない。正直結構迷ったのだが、特典映像に旗揚げのカールゴッチ戦が収録されている事や、試合前の様子なども収録されている事などが決め手となり、発売日に購入した。当時、闘魂Vのビデオはチケットぴあの店頭で売られている事が多かったのだが、これに関してはどこで入手したのか全く覚えていない。
もちろん、当時はAmazonどころかネットもない時代なので、どこかで予約して自分の足で赴いて買ったはずである。肝心の試合は、おそらく闘魂Vとしては初めてかも知れないテレ朝収録のものをそのまま使用していたが、さすがに実況はカットされ会場音のみであった。しかし、「炎のファイター」は著作権をクリアして収録されており、特に試合後のダー直後は音楽のみが被せられていた。
当時のファンであればご存知であると思うが、東芝EMIが版権を持つ「炎のファイター」のオリジナルシングル盤はすでに入手困難であり、当然CD化もされておらず巷に溢れていたのはカバー版ばかりであった。しかし、このビデオの音源は非常にクリアであったため、ビデオの音声出力端子からラジカセに繋いで録音したものである。正直、それだけでも買う価値があったものだった。