リョウ・サカザキは、アーケード版ではCPU専用と言う事もあり、鬼の反応速度と異様なまでの大ダメージで、まともに闘うとあっと言うまに瞬殺されてします。超必殺技はもちろん龍虎乱舞であり、満タンからでも一気にゲージが赤まで減らされてしまうほどの超強力な技だ。またもうひとつの超必殺技扱いである覇王翔吼拳は、なんと通常必殺技扱いである。
ただ、やはりと言うかパターンに弱く、攻略法を知ってしまえば楽勝である。私はテリーとキムを好んで使用していたが、いずれも簡単にパターン化出来るので、ここまで来てしまえば難しくはなかった。なので、無敗クリアする方が遥かに難しかったものである。
この辺りから旧作のネオジオ格ゲーをやり始めた私は、友人の影響もあって「サムライスピリッツ」にようやく手を出した。正直、そこまで熱中はしなかったし、こちらもパターン化しないとほとんどCPUには勝てないので、覇王丸でワンコインクリアしたらそれでやめてしまったものの、服部半蔵使いの友人は割と長くプレイしていたものである。
そんなガロスペに明け暮れた12月、いよいよゲーメスト大賞の発表である。さすがにストIIシリーズの3連覇はないとは思っていたので、私がゲーメストを読み始めて以降初めて予想がつかない年となったが、蓋を開けてみればサムスピの圧勝であった。手元にないのでうろ覚えだが、ベストシューティング以外のほとんどの賞を総なめした記憶がある。そして、さらに好きなゲームメーカーまでもSNKが圧倒的支持を得て受賞した。
それまで、好きなメーカーに関してはいわゆる5大メーカーであるナムコ、セガ、タイトー、コナミ、カプコンの独壇場であったのだが、ここに来て遂にその牙城が崩されたという事となる。正直、いかにネオジオというプラットフォームがあろうと、SNKが1位はおろか上位に食い込む事さえ想像がつかなかったものだが、この頃から新規ゲーマーが一気に増えた事もその要因であった。
それを象徴する事例として、「スコアネームってなんですか?」という質問がある格ゲーの大会であったとされる。それなりのアーケードゲーマーであればスコアネームに対する思い入れは強く、私も未だに同じネームを使用しているほどだ。つまり、ゲーメスト誌上においてはまずあり得ない質問であったはずなのだが、対戦が主流となるとすればそうそうネームを入れる機会もない。イコール新規が多いという証明になる訳であるが、さすがに私としては寂しい気持ちがしたものである。
そして、この辺りから古参と新規のゲーマーの確執みたいなものが生じてきた雰囲気があった。アーケードは家庭用以上に新陳代謝が激しいジャンルなので、それは必然的な事なのであるが、その新規の大抵は格ゲー以外のジャンルは眼中にない訳であり、その辺りがさらなる確執を生んでしまったと思われる。