アーケードゲームを愛す・その25 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

少し前、このストIIダッシュチャンピオンシップ優勝者の方が、かのウメハラ氏とYouTubeで対談されていたので、興味のある方はご覧になっていただければと思う。この決勝は、同キャラ対戦が可能となったストIIダッシュだけあって、全キャラを使う事が大前提となっており、つまりは先に12キャラに勝利していくと言う勝ち抜き戦ルールだった。これなら公平である事は間違いないが、その代償にかなりの時間を費やす羽目となってしまったそうである。

 

また、撮影の都合かどうかは不明だが、前回の大会は写真をふんだんに使用した見応えのある記事だったのに対し、ダッシュでは文章が中心であり読み応えは少なかった。今であれば配信で大盛り上がりだったのかも知れないが、当時はもちろん誌面のみであり、ビデオ販売もされなかったので、この大会の全てを伝える事は出来なかったのではないかと思う。

 

そして、ほぼ同時期に、ゲーセンでは怪しげなストIIが出回っていた。私が実際に見たのはかなり後の事だったのであるが、友人を通じてある程度の噂は聞いていた。もちろん、ゲーセンは正規のものと信じて入荷している訳であり、これが噂のターボかも、というのがゲーマーの間では通説になりつつあったのである。もちろん、そんな訳はなく、これがいわゆる、のちに「レインボー」と称される海賊版であったのだ。

 

この対策として、カプコンが海外でまずリリースしたのが「ストリートファイターIIダッシュターボ」である。どうしてこのリリースが海賊版対策になったのかは今なお知らないのであるが、前述のように海外で先行販売されたおかげで、日本でも一気に噂が広まり、それでオペレーターが混同してしまったのがレインボーが広まってしまった一因とされている。

 

まあそんな事もあり、アメリカで先行販売されていたターボが、ゲーメスト誌上でも日本発売前に紹介されていた。伝説の誤植の一つである「ザンギュラのスーパーウリアッ上」が発生したのもこの時である。今でこそ、ゲーメストでは誤植が頻発されたとされているが、ぶっちゃけ読んでる側としてはさほど気にはならなかったものである。

 

そして、世の中のダッシュは全てターボへと取って代わられた。これにより、あれほど盛り上がったダッシュが一瞬にして過去のものとなってしまった訳である。そして、今ならアプデとしての扱いに過ぎなかったかも知れないが、当時はそうもいかず、再びターボという新作が発表、という形となった訳である。さすがに2度の焼き直しには反感を覚えるゲーマーも少なくなく、この辺りからゲーマーの間でも賛否両論が起き始めていったのだ。