1996年の年末にはいよいよFFVIIの予約が開始された。これまでであれば一瞬で終了してしまうものだったが、さすがにゲームショップとは分母が桁違いに異なるコンビニにおいて予約は実に容易であり、私も最寄りで昔から愛用しているセブンイレブンにおいて無事に予約が終了出来たものである。
そして発売日、それまでなら全国のゲームショップにおいて混乱や行列が見られたものだったが、全くそのような事は見られず、私も難なく前述のコンビニで普通に買う事が出来た。テレビのニュースでも報道されたが、前述のように極めて平穏に終わったため、混乱を期待したマスコミは肩透かしを喰らった事だろう。また、先着80万名ぐらいに特製の冊子が配られたのだが、私も無事に貰う事が出来た。
そしてゲーム本編だが、FFならではのムービーとストーリー中心で進んでいくそのスタイルは今なら間違いなく苦痛で、途中で投げてしまうはずなのだが、当時はまだそれを楽しめるぐらいには若かったので、普通に最後まで夢中にプレイする事が出来た。ただ、仲間になるはずの2人がいないままクリアしてしまったので、それは後日ファミ通のヒントから改めてやり直したものである。
クリア後もかなりやり込み、海チョコボやアルティメットエンドのマテリアまで自力習得するぐらいにはやったので、トータルのプレイ時間は78時間を超えていたかと思う。また、メモリーカードの2枚目を買ったのもこの時期だったかと思う。かつてはドラクエのデータ消失に何度も悩まされたので、半永久的に保存出来るこのメモリーカードはまさに奇跡とも言える存在だった。
そして、FFVIIは初動で250万枚ほどの売り上げを記録し、当然それと同時に本体も飛ぶように売れていったので、ここでほぼ次世代機戦争に決着がついたと言って良い。その後はN64がSSを追い抜くも、最後まで初代PSを超える事は出来ず、ファミコン以来の任天堂の天下はここで終わりを告げたのだ。
しかし、FFVIIの存在があっても初代PSにそのままなびく事はなかった。というのも、この辺りからSCEは一般層、いわゆるライトユーザー向けのゲームを多くリリースしていったからである。当然、私好みのゲームはなく、結局1997年になってもSS中心は続いていった。その後、購入したゲームと言えば、当時出来たばかりの近所のブックオフにおいて、何故か異様に安く売られていたPS版三國志Vぐらいであっただろうか。
ただ、安いから買った程度の理由であったとは言え、このVはシリーズ中でも屈指の名作であり、久々に三國志に夢中になったものである。のち、SS版も買ってみたが、処理速度においては完全にPS版が上であり、こちらの方が出来が良かったものだ。
まあ、FFVIIという超大作がいきなり初頭にリリースされたせいもあったか、その反動でその後は小粒に見えてしまった印象は拭えなかった。そして1998年初頭、突如として全てのRPGの根源とも言える超名作がPSでリリースされる事が発表されたのである。