しばらくグラディウスを堪能していった私であったが、前にも触れたようにPSの3D性能を最大級に活かしたゲームでは当然なかったので、やはりそのようなゲームをプレイしてみたいという願望は尽きなかった。しかし、今のように手軽に検索出来るような時代でもなかったので、しばらくはグラディウスとパロディウスのみでローテーションしていったものである。もちろん、それだけでは飽きるので、SFCの旧約・女神転生などもプレイしていったものだ。
そして、同年6月にはナムコミュージアムVol.3がリリースされる。こちらは当時アーケード版をプレイする事が出来なかった「ドルアーガの塔」などが収録されていたので、これはもう買うしかない、というタイトルだった。そして、ナムコの凄い所は単なるレトロゲーム復刻に終わらせなかった事だ。PSの機能を活かした拡大縮小可能な膨大な資料や冊子の復刻、さらにはプレイのデータベースまで搭載と、まさに集大成とも言える出来だった。
また、こちらはミュージアム内は完全3Dであり、意外な形でPSの性能を堪能する事が出来たものである。ただ、目当てのドルアーガに関しては、こちらは横画面ではアーケード版の画面構成を再現出来ておらず、ゼビウス同様の画面構成だったので、それは残念に思えたものだった。
そして、セガの「バーチャファイター」のような3D格ゲーもプレイしたい願望も生まれていった。ローンチ時に「闘神伝」なるゲームがタカラより発売されたが、当然バーチャとは比較のレベルでない事は明らかだった。同時期に「トバルNo.1」なるゲームが当時のスクウェアからも発売されたが、やはりバーチャに対抗出来る唯一のゲームと言えばナムコの「鉄拳」しかなかった。
しかし、初代鉄拳は当時からしても微妙だったので、最新作である「鉄拳2」を購入した。後で知ったが、ファミ通のクロスレビューでも絶賛されており、点数は忘れたがこれはファミコン時代ではRPG以外あり得なかったほどの高得点であった事を覚えている。実際、その出来は素晴らしく、当時はネット対戦がないにも関わらず大変やり込んでいったものである。そしてここから、鉄拳ブランドもバーチャとタメを張れるほどとなったと思う。
そして、忘れてはならないのが、同年春に遂にFFVIIの発売がリリースされた事である。さすがの私もこの時はPSを買って良かった、と思ったものだ。業界内では任天堂を裏切った事が衝撃的だったようだが、ファン目線としてはROMカセットよりも大容量のCD-ROMという事を考えたらそれは当然だろう、と思ったものだ。
ニンテンドウ64になって一気に容量は増えたとは言え、それでもまだ8Mバイトとかの時代であり、650MBのCD-ROMとは比較になるものではなかった。当然、CDアクセスはあるとは言っても、格ゲー以外ではそう気になるレベルでもなかったので、再販も容易である事から、ROMカートリッジはすでに前時代的なものにしか見えなかったのだ。