アーケード畑のゲーマーが、Switchについて最も頭を悩ます問題がアケコンかも知れない。ストリートファイターや、鉄拳ナンバリングこそ発売されてはいないものの、所有している方ならご存知のようにアケコンを使うゲームなどは山ほどある。「ダライアス」以外全てをプレイできるアケアカはもちろんの事、先ほど発売されたカプコンアーケードスタジアムなどは、世代にもよるがアケコンを使った方が遥かに快適にプレイ出来るのは間違いない。特に、Switchは特殊なコントローラーであるため尚更である。
それがなぜSwitchに限り、という話なのであるが、まあ悲しい話ではあるが現在のアケコンのフラッグシップはほぼ海外モデルなため、単純に需要がないのであろう。しかし、積極的なHORIですらトップモデルは従来のRAP改モデルであり、刃はもちろんNモデルすら発売されていない。
一応、ここ最近になってマルチなアケコンが使用可能なWingmanコンバーターが発売されたため、多少割高なもののこれひとつさえあればほぼ全てのPS4とXbox系のアケコンは使用できる。肝心の遅延も、それまでに発売されたどのコンバーターよりも優れていた。なので、今ではこれさえあれば十分なのであるが、それでもPS4用の最速レベルのアケコンを使用しても、一部のゲームに関してはPS4のそれに及ばなかった。
周知の通り、Switchは仕様上どうしても遅延は避けられないようであり、それはアケアカのPS4との同一タイトルを比較しても明らかである。一連の彩京シューティングなどは顕著であろう。なので、ほとんどの場合はアケコンが原因ではなく、内部的な問題である。しかし、逆に遅延が感じられないソフトも多く、アケアカ内はもちろんの事、斑鳩やエスプレイドの移植などはほぼPS4版と変わらないレベルでプレイ出来るので、どのゲームを指針とするかは難しい。
そこで、今までの経験上、アケコンやコンバーターで明らかに差が生まれたのは、初代グラディウスやファンタジーゾーンなどである。なので、新しいアケコンやコンバーターを購入する度に、それらのソフト、特に前者を起動してチェックしていくのであるが、RAPはもちろん、他のマッドキャッツや、PXNのTE模倣アケコンなどのいずれを使用しても、どうしてもUFBレベルの快適さには及ばなかった。
PS4によれば、ライセンスにひっかかる部分においてどうしてもUFBを越えられない壁が生まれてしまうらしいが、それでも現在最速レベルとされる刃やPanthera EVO、そしてVictrixなどは体感出来るレベルの差は感じられないはずである。という事は、Switchに関してはそのライセンス的な部分における差がPS4よりも大きい、と推測せざるを得ないのであるが、という訳で、最終手段のUFBである。
なので、雷電IVの操作感覚にどうしても違和感を拭えなかった私は、久々にUFB基板に改造した初代マッドキャッツTEを使用してみたのであるが、明らかに他機種版並に軽くなった。初代グラディウスやファンタジーゾーンにおいてでも同様である。遅延だらけのカプコンアーケードスタジアムなども、なんとかある程度プレイ出来るぐらいには快適になった。それでもプロギアなどは明らかな遅延が避けられないので、これはマシンパワー不足として諦めるしかない。
という訳で、Switchにおいて最高のアケコン環境を得るにはUFBしかない、というのが現時点での結論である。しかし、当たり前であるが、これを使用する場合は基本自分で改造するしかない。まあ、ガワ自体は以前のPS3やXbox360用のアケコンを中古で買えばいいだけなのだが、ほぼ必ずドリルで穴を開ける工程が必要なため、それなりの出費は覚悟せざるを得ない。電子工作の知識がないと難しい部分もあったが、今ではワンタッチで繋げられるハーネスも販売されているので、以前と比べたら一応下がってはいる。
ガワに関しては、個人的には初期TEモデルのマッドキャッツが一番やりやすいとは思うのだが、同時期のRAPでも良いだろう。前世代のRAPのガワは現行機よりも剛性が高いので現行機よりも音が響きにくく、デフォルト装備である三和電子との相性も抜群だ。完成品としては、千石電商で売られているBrookのアケコンがあるが、49800円とPS5並の価格であるし、ガワ自体もすでに5年以上前に発表されたものなので、そう易々とは手が出せない代物だ。まあ、これまで一度もアケコンを所有した事がなければ、これ1台でPCEミニ以外であればほぼダイレクトに接続出来るので、それだけの価値はあるかも知れない。