記念すべき初代リアルアーケードプロが発売されたのが2004年の事である。レバーはもちろん三和電子であるが、ボタンとその配置に関してはHORIオリジナルであった。一応、初代はファストン端子であったそうなので、オリジナルの三和に換装は可能であったそうであるが、私自身としてはHORIで不満はなかったので、そのまま使用していった。
しかし、私にとってアーケードのコンパネパーツと言えばセイミツであり、私がゲーマー引退後に普及した三和電子レバーは馴染みの薄いものであり、どうしても違和感は拭えなかった。筐体自体の剛性は高かったので、正直感覚としては現行のRAPよりも良かったほどだったのであるが、やはりセイミツでプレイしたいという願望は消えなかった。ただ、初代機はセイミツにも無改造で換装出来たらしいのであるが、PS時代のRAPはかなり開けるのが面倒なので、そこまでする気はしなかったのだ。
しかし、その翌年ぐらいに、HORIのストアにおける完全限定発売として、ボタンをブラスト配置に改良した、三和とセイミツのバージョンがそれぞれ発売されたのだ。もちろん、私は速攻で青のセイミツバージョンを予約し、届くと同時にオリジナルのRAPはヤフオクで売り払った。のち、三和電子バージョンのみAmazonなどでも発売されたそうであるが、先述のように三和電子は馴染みが薄かったので、結局これが最後のPS2用RAPとなったものだ。
もちろん、パーツも配置もアーケードそのままなので、購入当初は大満足したものである。特徴としては、今のように大会での使用などはまるで考慮されない、そもそもそういう発想自体が無かった時代のものなので、至ってシンプルである。底面に滑り止めもなく、冬は膝置きすると冷たいし、ケーブルのコンパートメントもなく剥き出しのままであり長さ調節も出来ないので、今となっては不便な代物なのであるが、構造的に空洞部分が少ないので、レバーとボタンの感触自体は最高である。先述のように、これに関しては現行のRAPよりも優れていると言っていい。
そして何より、この時代は専用端子なだけあって遅延とはまるで皆無なのがなにより大きい。PS3になって極端に遅延が増えたのも、結局はその側面が大きいと思われる。前述のように、今となっては色々使いづらい面もあるとは言っても、それでもおもちゃのようなアケコンばかりが乱立していた家庭用業界に、アーケードと同じパーツを持ち込んだという功績はあまりにも大きい。RAPなくして今のアケコンは存在しない、と言っても過言ではないほどの歴史的存在意義がある一品なのだ。