アーケードスティックのお話・その6 Qanba Obsidian | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

家庭用アケコンのフラッグシップ的モデルをほぼ網羅してきた私であったが、その中で唯一触れていなかったのがQanbaのオブシディアンだった。

 

著名プロゲーマーのひとりである「ときど」氏がメインとして使用しているアケコンとして、一躍有名になり日本でも代理店を通して正規流通しているほどのメジャーな製品となっているオブシディアンであるが、それにも関わらずこれまでそそられる事はなかった。

 

まず、アケコン熱が高まる前、2万円を軽く超える製品に手を出そうと言う気などさらさら起こらなかった事。そして、2017Hayabusaを使用していた時、ビュウリックス配置のレバーとボタン感覚が狭く感じ両腕が窮屈に感じて仕方がなく、わざわざ高い金払ってまで同配置のを買う事などないだろう、と思っていた事などが挙げられる。

 

その後はファイティングエッジ刃をきっかけにアケコン、そして格ゲー熱が高まった事もあり、HayabusaNやそして遂に念願のPantheraなどを購入していった。特にAmazonUSAから直輸入で購入したPantheraの満足感は何物にも買え難く、「これ1台さえあれば他のアケコンなど不要」とも思うほどの素晴らしい出来であったため、尚更オブシディアンを買う必然性などはなくなっていった訳だ。

 

しかしながら、そうは言ってもPantheraの後継機であるEVOが不評な事から、フルで三和電子を搭載した上位機種はオブシディアンしか選択肢が現時点では存在しない事、そして各方面のレビューもやはり大半が絶賛の嵐との事もあって、ここに来て再びオブシディアンへの興味が高まってくるようになってしまった。そして、機能面では完璧なPantheraでありながらも、やはりアーケードのコンパネが横長な事もあり、フォルム面ではそれに近いオブシディアンの方が魅力的に映るようにもなっていた。

 

正直、これ以上アケコンなど必要か?とかなり悩んだりもしたが、やはり実際に使ってみない事には分からない、と言う事もあり、とうとう先月末にアタッサショップで購入するに至ってしまった。

 

 

 

 

 

同じ三和電子のパーツで揃えていても、ガワの作りで使い心地にはかなり差が出るものだ。この辺りが実際に触れてみないと分からない部分なのであり、ここが価格に差が出てしまう大きな理由のひとつだ。要は、その感触が自分に合っているか否かがアケコンとの相性と言う訳でもあるのだが、このオブシディアンに関しては触る前の時点で明らかな違いを発見してしまった。

 

それは何かと言うと、ずばりレバーの長さが違うのだ。これはネットでは誰も触れておらず、まさかとは思ったものだが動かしてみるとやはり明らかに違和感を感じ、そして確かに遠い昔に触れた事のある感触でもあった。そう、あの名機として名高い鉄拳4スティックを換装した直後に感じた違和感と同じだ。当時、アーケードの標準レバーであった三和レバーにも関わらず、なんか違和感あるな〜と思っていたものだったが、その違和感もレバー長の違いから来たものだったのだ。

 

実際に測ってみると、やはり約6センチと標準の5.5cmよりも5mmほど長かった。格ゲーならまだしも、シューティングでこれは致命的な違いだ。デザイン的にはPantheraよりも好みであったので、どうしてもシューティングにも使いたかった私は、ネットの記事を参考にしてレバー長の調節を試みる事にした。

 

やり方は、一旦レバーを完全に外し、台座である金属板をネジで外し、本体との間にナットをかましてスペースを作るのだ。ドライバーとナットさえあれば誰でも出来る簡単な作業であるが、台座の皿ネジの奥には赤色の接着剤が付けられており、安易に行くとネジをなめてしまう可能性が大なので、それなりに高いドライバーと、ねじ回し剤を必ず使用していく事。こうすればなめる事なく綺麗に回せるだろう。

 

廉価版であるDRONEのEVOのレバーが長い事はネットでも触れられており、こちらも参考にさせていただいたが、ナットは2個ではなく1個でちょうど良い感じであった。そして再度取り付けて測ってみると、ほぼちょうど55mmであり、感覚も他と同じで違和感なし。レバーやボタンの音はPantheraよりも響く感じであるが、剛性は高い感じであり、HORIのファイティングエッジなどと比べても遥かに良く自分好みだ。唯一気になる点と言えば、先述したようビュウリックス配置そのままのレバーとボタン間の狭さであるが、確かに最初は窮屈に感じはしたものの、慣れてしまえば他のメリットがそれを打ち消してしまった。

 

そう言う訳で、買うのを躊躇っておきながらも結局大のお気に入りとなってしまい、晴れてメインアケコンに昇格したオブシディアンであったが、それでもまだ黒筐体なのにオール黒ボタンと言う地味さと、そしてオリジナルのレバーのメタルボールの冷たさと感触がまだ気になってしまっていた。

 

ちょうど、白のボールが余っていたので、付け替えてみたら良い感じに。しかし、なんだったらもう少し派手にしてみたい、考えた挙句クリアなパーツをつけてみよう、と言う訳で千石電商で購入したブルーのパーツを付けてみた所、これが非常に良い感じに!クリアのボールはセイミツオンリーなので、パーツがそこだけばらけてしまったが、まあレバーは三和な事に変わりはないのでまあいいだろう。

 

 

 

 

 

 

三和電子パーツがデフォルトなのに、またすぐに換装、と言うのはなんだかもったいない気もしたが、実際に付け替えてみるとデザインも所有欲、そしてやる気を起こさせるには重要な要素なのだな、と言う事を実感したものだった。現行、国内で容易に手に入る三和電子デフォルトのアケコンであるオブシディアン、レバー長をアレンジ出来るのであれば絶対にオススメだ。