2013年1月以降、香港での定宿は全て重慶大廈のゲストハウスにしていたのだけれども、今回は何と実に6年ぶりに美麗都大廈(メイライドータイハー、Mirador Mansion)の宿に泊まる事になった。
特に深い理由はなく、毎回Booking.Comで個人で予約しているのだけれども、たまたまリーズナブルかつ評価の高い宿が見つかっただけの事。正直、重慶大廈のカオスな雰囲気に惹かれて以来、自分の中では重慶に泊まって初めて本当に香港に旅行したと言える、ぐらいの拘りが生まれたため、重慶以外に泊まると言う選択肢はありえなかった。
しかし、あの雰囲気はともかく、毎回あのクソ遅く狭いエレベーターを使うのにもうんざりしてきたのも事実。そのため、毎回恐ろしいほどの行列が生まれるAやBブロックは避けて、比較的空いているDやEブロックのみのゲストハウスばかりに泊まってきたものの、重慶において泊まる部屋が予約時の住所とは限らない事が多く、移動させられた事もままあったため、美麗都の部屋があるならばたまにはそこでもいいか、と言う訳で実に6年ぶりにこちらに泊まる事になった。
とは言うものの、6年前は予約しないで重慶に訪れたものの、まだまだ海外の経験は少なかった事もあって怖気付いてしまい、逃げるようにして訪れた美麗都の前でたまたま客引きの方に声をかけられて、付いていった、と言う展開だったので、事前に予約して泊まるのは今回が初めての事だった。
そして久々に訪れた美麗都、真ん中に大きな吹き抜けがありそこを囲むようにして部屋が構成されているが、重慶のようにブロック毎に分かれている訳でもないので、どこのエレベーターからでも移動出来るようになっており迷う事はない。さらに、そのエレベーター自体も数が多く、出入り口側のメインから、搬入用や4階おきにしか止まらない高速エレベーターなど、上に上がる事に関しては重慶とは比較にならないぐらいの快適さだ。
22時以降は他のは閉まってしまうので、メインの前で並ぶこともままあったものの、それでも9人まで乗れる事もあり1度ぐらい待てば大抵乗れるので、ここに関しては美麗都の大きな利点だった。
訪れた部屋は16階、日本で言えば17階のHong Kong Premium Guest House。どこがプレミアムなのかは不明だが、レセプション前の看板を見る限り他の階でも違う名前で運営しているよう、まあこのぐらいは香港では普通なので珍しくもない。
空港で6時間ほど時間を潰し、ようやく13時のチェックイン時間を迎えて中に入った時にはすでに数人の先客がいた。これまでは一度もないものの、やはり実際にチェックインしてしっかり予約がされているかをこの目で確かめる前は不安が消えないので、海外に来て最も安堵する瞬間だ。また、Booking.Comを使う前は全部日本語サイトからの予約だったのだけれども、当然その場合のやり取りは全て日本人を仲介してのやり取りとなるので、他で予約するよりもかなり割高となる。まあ、大抵の日本人はツアーなので、そもそも個人予約自体レアなのかも知れないけども、基本はBooking.ComやAgodaなどを使うのが基本だ。
香港のゲストハウスのスタッフは、レアな場合を除けばほぼ中東や東南アジアからの出稼ぎ労働者なのだけれども、今回はタガログ語らしき言語で会話していた事からも、フィリピン人運営である事はすぐに分かった。別に国籍などに拘りはないものの、インドやパキスタン辺りに比べたらフィリピン人との関りは多いので、レアな感じはなかったのは事実だった。
部屋に案内されると、予想以上の広さでしかもセキュリティボックスに冷蔵庫まで完備されていた。今回は8泊で1766HKD、予約時の支払いレートでは24700円ほどだったので、この価格で前述の設備が完備されているのは異例中の異例だ。セキュリティボックスなら記憶があるが、個人用の冷蔵庫に関してはあった記憶がない。香港ゲストハウス名物の、シャワールームも十分なスペースがあり、もう大喜びで1日半ぶりにベッドの上でしばしの眠りについたものだった。
そして、通路の奥にはウォーターサーバーやオーブンまで完備されている。つまり、当たり前だがペットボトルさえあればここで水を補充出来るのだ。これまでは当然、重慶で出る度戻る度に水を買う羽目となり、いくら100円未満で買えると言ってもやはりいつでも水が飲める、と言うのはあまりにも大きなメリットだった。一度だけ、水が切れた時に運悪くサーバーがなく、重慶で水を買う羽目になったものの、今回空港以外で水を買ったのはそれだけだった。
そして、何故か香港のもわーっとした気候を味わう度に、日本では滅多に飲まないファンタオレンジが異常に飲みたくなるのだけれども、これまでは当然冷え冷えのものを飲むために重慶の奥まで行って買わざるを得なかった。しかし、今回は当然買いだめ出来るので、その手間もなく、よって今回この部屋を選んだのは大正解だったと言える。
因みに、コーラやファンタの缶をセブンイレブンで買うと大体8.5HKDぐらい、日本と同じぐらいレートによっては割高になるのだけれども、重慶では相変わらず1缶5HKD、基本70円台円安でも80円未満なので、時間がある限りは絶対にここで買っておきたい。
立地的にはすぐに真横に尖沙咀駅の入り口があるものの、ここは階段のみなので、帰る時にはiSquareからの上りエレベーターを使うのだけれどども、そこからだと重慶よりも若干歩く事となる。なのでそこに関しては若干不便でこそあるものの、その代わり途中でセブンイレブンにも寄れたりするので、一長一短だ。
そういう訳で、ゲストハウスに関してはこれまでで一番満足したと言える。しかし、そうなると当然各予約サイトでは高評価が続き、そうなると当然需要も殺到価格の向上も予想されるので、次回同じ価格で泊まれるかは難しい所ではある。しかし、多少割高になっても数々のアドバンテージ特に冷蔵庫の快適さは捨てがたいので、次回機会があれば是非またここに泊まれればな、と思う。