第11次香港旅行~2日目以降。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

当然今回の宿泊先も重慶大廈だ。円安な分、以前よりも大分グレードの低い部屋に泊まる事となったものの、最低限の清潔感とセキュリティは保たれていたし、Wifiも激速なのでまあ十分な感じではあった。誕生日を間近に控えていたので、はじめは現地の友人が過ごしてくれる事になっていたが、急遽急用ができたおかげでキャンセルとなってしまい、あいにくひとりで過ごす羽目になってしまった。もっとも、ありがたい事に世界中からメッセージを頂けたので、そこまで寂しくはなかったけれども。

誕生日の翌日、10月1日は中国の国慶節であり香港も休日。当然、ほとんどの香港人にとってはただの祝日であり、大陸系の人以外それを祝う人たちは皆無。しかし、休みのおかげでネットで知り合った、現地の美人、しかも英語の高校教師と会う事が出来た。これまで何人もの英語が堪能な香港人に出会ってきたものの、英語を生業とする人と出会うのは初めてだ。ただでさえ、一般的日本人とは比較にならないぐらいの平均的英語力を持つ香港人、その中での英語のエリートだ。期待が高まらない訳にはいかなかった。

待ち合わせは中環駅構内。当然、最初の挨拶から英語だったけども、いきなりその流暢さには圧倒、正直ほぼネイティブレベルと言って差し支えないぐらいの流暢さだった。これなら、自分も気兼ねせずに英語を使う事が出来る、アメリカから帰国以来初めてと言っていいほど、スカイプ以外でまともに英語を話せる環境、非常に心地が良かった。

そして、香港における、英語が流ちょうなほどスマートである、と言う風潮も、彼女には当てはまっていた。ご存知の方も居るかと思うが、この時はあの「雨傘革命」からちょうど1周年にあたり、そして1年前は数日ながら私もその場で参加し、ありがたい事に応援のメッセージも書かせて頂いた。その後2ヶ月に渡って続けられたうちに、警察の強制排除により沈静化していったものの、香港史に残る一大事件となったのは間違いないだろう。当然、彼女も民主派として参加し、すでにLINEでもその話題には触れていたものの、やはりその場においてもその話題を避けて通る事は出来なかった。

香港の英字新聞、South China Morning Postを未だに有料でネット購読しているとは言え、それでも政治の話を英語ですると言うのは大変だ。当然、日常会話に比べるとつっかえる事も多くなってはしまうものの、それでも彼女の理解力のおかげもあり、割とスムーズに話を進める事は出来た。ネットではなかなか知る事の出来ない、現地香港市民による本音の会話、それは私にとってとても心地の良い瞬間だった。

狭い香港の飲食店、昼時となれば見知らぬ人と相席になるのはごく普通だ。しばらくして、他の女性客ひとりが私の斜め前に座ってきた。最初は無言だったが、しばらくすると自分たちのトークに興味を持ってきたか、流暢な英語で話の輪に入ってきた。話の内容はもちろんの事、私が日本人でありながらここまで香港が好きな事にも不思議に思ってきたらしい。確かに、香港を知れば知るほど、住むのは大変な場所である事は嫌でも実感していくから、そう思われるのは今では不思議ではないのだけれども。また偶然な事に、彼女は数日前まで東京に旅行しに行ったらしい。LCCの台頭、円安のおかげで、今では何と、1年間の間に香港市民の6人にひとりが日本にやってくるという。ありがたい話だ。

昼食後、上環に位置するPMQへ移動し、そこでしばらく過ごした後、中環駅で記念写真を撮って別れた。iPhone6Sに変えたばかりであり、フロントカメラの性能も上がってるとの事だったがやはりメインに比べたら微妙だったし、また駅なんかじゃなくてPMQで撮っておけば良かった、と若干の後悔もあった。しばらくしてフェイスブック上でも友達になったけども、プロフィールを見たらなんと香港大学出身だ。どうりで英語が流ちょうで頭も良い訳だ。しかし、日本とは異なり、英語が堪能イコール本当に頭も良く聡明な女性である、と言うのはさすがに香港であるな、と実感した。

今回は香港エクスプレスのセールのおかげで来れたようなものだったから、特にプランはなかったのと、相変わらずの日差しの強さのおかげで、外に長時間居る事が出来なかった事も手伝い、だらだら過ごした6日間だったように思える。いつもであればマカオにも行くのだけれども、この日差しの暑さでは現地での宿泊先でもないと一日居るのは無理だな、と判断したおかげで、久々に行く事はなかった。まあ世界遺産なんてまるで無関心な私、金を思いっきり使えない限りマカオで楽しむ事は無理なんだけども。

そして、6日間の間、ビクトリア・ハーバーから一度もクリアな夜景が見れなかったおかげで、山頂に行くこともなかった。すでに何度も足を運んできた、なおかつ中国人観光客に占拠されているともなれば、こちらも無理して行くことはないのだけれども、やはり帰国してみると、そこに行かなければ香港に行った意味がねえなあ、と実感してしまうのも事実だ。しかし、前述のように港から展望台が見えないと上からも見えないのは分かっているので、クリアな夜景が見れない以上仕方がなかった。1年前は、マルコ・ポーロホテルの駐車場から信じられないぐらい美しいサンセットが見れたのだけれども、今回はそれも叶わず。まことにもって消化不良に終わってしまった。

今のところまだ香港へ行く予定はないものの、ゴンピンにあるという香港映画のアトラクション的な場所には是非行ってみたいものだとは思う。ただ、ロープウェイにひとりで乗るのは味気ないので、出来れば現地の誰かと行ってみたいのだけれども、週末となると大混雑し乗るだけで2時間待ち、なんてのもありえあるからそこはなかなか難しい所だ。香港でも気候が涼しめの2月ぐらいは良い感じなので、出来ればそのあたりにまた行ってみたいとは思うのだけれども。