第11次香港旅行・1日目。 | ONCE IN A LIFETIME

ONCE IN A LIFETIME

フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

前回の続きとなるが、深夜便を利用し、到着直後から1日を丸々滞在、っていうのは大きなメリットだったものの、あいにくチェックインは午後1時以降であり、それまでどうにかして時間を潰さなければならなかった。

真夜中のフライトは、当然機内は薄暗く睡眠仕様に加え、渡米時に利用したアイマスクと準備は万端であったのだが、公共交通機関では寝付けない自分では、正直寝れたか否かよく分からないまま朝を迎えてしまった。これまで深夜便を利用しなかったのも、過去に寝付けず夜明かしした挙句、そのまま体調不良となり楽しみにしていたイベントを欠席せざるを得ない、というのがトラウマとなっていたからだ。よって、多少の不安は覚えてはいたものの、17時間のフライトに耐えたのだから、4時間程度なんか大したことないだろう、という自信もあった。結果、不安は杞憂に終わり、前回書いたように、空港からA21のバスに乗り、何事もなく尖沙咀のNathan Roadにたどり着く事が出来た。

しかし、すぐにゲストハウスへ向かったところでチェックイン出来る訳がない。とりあえず朝食だけでも取ることにした。候補としてはマックだが、重慶大廈からはやや歩く場所に位置しているのと、朝から多くのお客が並んでいる事を予感したため、重慶2階の大家楽で取ることにした。幸い、朝の730ぐらいから開店しており、早朝と言う事もありお客もまばらだった。

2013年の1月に、初めて重慶大廈を利用して以来、朝食はほぼここで取っている。向こうは覚えてはいないだろうが、顔馴染みの店員がまだ働いているのを見ると、香港に来れた事を改めて実感するものだ。ただ、当時は早朝メニューが20HKD、当時のレートで言えば250円と破格だったのに、現在では22.5HKD程度から、円安も加わりかなり値上がりしている印象を受ける。それでもまだ日本と比べたら安いのであるが、ここ最近の物価の上昇は悩みの種だ。

今回の宿はDブロックの7階だ。重慶の宿を探す際にはいくつかの拘りがあるが、その一つがブロックだ。AとBに宿が集中しているため、ここのエレベーターはいつも大混雑、10分以上並ぶのはザラだ。偶数階と奇数階に分かれているのだが、1度に7人程度しか乗れず、当然スーツケースを持ったり、搬入らしき事をしている人間も多いため、スムーズに乗れることなど皆無と言っていい。よって、比較的宿の少ないD,Eブロックの宿が狙い目となる。

ここのブロックももちろん並ぶのだけれども、さすがにA,Bほどの大行列はまれだ。ただ、右奥の方にあるので、慣れるまでは客引きなどがかなりうざく感じられるだろう。入口付近では、ほぼ毎回、ゲストハウス?と言ってくる輩がいる。無視したままだといつまでもついてくるので、はっきりとI already have my guesthouse.や、Don't follow me.などと言ったほうがいい。真正面にセキュリティも存在するため、余程の事がない限り危険な目に合う事もない。そのはずだったが、なんと私が到着した頃、重慶の前で二人のドイツ人バックパッカーが、東南アジア系数人に襲われ負傷、財布を奪われるという事件が起きてしまった。人気がない、のもあったろうが、やはりなるべく深夜や早朝には近寄らないのが無難だ。

7階に着きレセプションを呼ぶと、フィリピン人らしき女性が出てきた。ひとまず日本から予約した、と伝えると中に呼ばれ、チェックインは午後1時からだと改めて伝えられたので、ショルダーバッグを預け、また戻ってくるとそこを後にした。幸い、気候は良好、フリーWi-Fiも使える事から、香港文化中心前のベンチに寝て休む事にした。

最初は人もまばらだったが、中節秋の休みという事もあって、9時過ぎから次第に人が集まり始めてきた。中には自分と同じように寝っ転がっている人もいたものの、さすがに10時ともなると、人がさらに多くなり、これ以上ここにいても時間の無駄だな、と思うようになっていった。正直、毎回具体的な旅程などはほとんど立てていないので、今回も初日の予定はないも同然だったものの、ひとまず香港文化博物館へと向かう事にした。

2013年7月のブルース・リーエキシビション開館以来、香港に来る度に必ず寄っている場所ではあるものの、すでに10回は通っている事もあり、そろそろ刺激もなくなってくる頃だ。にも関わらず、なぜ初日の場所に選んだか、それは今年7月から1年間限定で、世界的に著名なブルース・リーグッズコレクター、サンフランシスコ在住のジェフ・チン氏のコレクションコーナーが開設されているからだ。ありがたい事に、彼と私はフェイスブック上の友人だ。初日に真っ先に行く場所としてこれ以上ふさわしい場所もない。

その香港文化博物館への行き方は大きく分けて2通りあり、東鉄線のSha Tin駅、もしくは、最近楽器持ち込みで大問題に発展した、Tai Wai駅で馬鞍山線に乗り換え、Che Kung Templeから、の2通りが存在する。しかし、ここでは乗り換えが必要な手間を考慮しても、後者のルートを絶対にお勧めする。もちろん前者からでも行くことは出来るし、Sha Tin駅からも案内はあるのだが、駅直結のデパートがとにかく大きく、複雑な作りをしているため、はっきり言って迷う事必至。最初は何度もそのルートで通ったのだけれども、あまりに何度も迷うので嫌気が差し、最近後者のルートで行ってみた所、あまりにも楽で近かった。改札を出てすぐにセブンイレブンもあるので、買い物に困る事はない。よって、今回もこのルートを選択し、そこでレッドブルを購入し気合いを入れて、博物館へと向かった。

香港でもレッドブルは売っているが、日本と同じ標準サイズが、今回は13.9HKD、約16円換算でも227円程度と、日本と比べても異常に安かった。前に来た時は18HKDしたような記憶があったのだけれども、理由はさておき非常に助かったものだ。コーラもそうだが、香港のうだるような暑さにレッドブルはうってつけの飲み物だ。

そのまま5分ほど歩けば、待望の香港文化博物館だ。当然、冷房もばっちり、フリーWi-Fiも使い放題と、休む場所としても申し分ない。入場料はわずか10HKD、アメリカ本土の異常な入場料の高さを考えたら破格だ。しかも水曜日は他の博物館同様無料だ。入場と同時に、真っ先にブルース・リーのエキシビションへと向かう。

今回は特に新しい展示もなかったが、やはり全展示コーナーの中でも未だ一番人気だ。しかし、開設は当然中国語と英語。少なくともどちらかがスムーズに読めない限り、楽しみは半減してしまうだろう。ここでも、共通語としての英語の重要性を改めて実感する事が出来る。

さすがに相当数訪れているため、心地よさはあっても新鮮さは薄い。よって、早くジェフ・チン氏のコーナーが見たかった。これまでのグリーン・ホーネットのコーナーがそれに置き換えられているのだが、貴重なグッズはもちろんの事、それ以上にジェフ氏の体験談に大きく心を打たれ、読んでいる最中は涙をこらえる事が出来なかった。