本場のマクドナルド。 | ONCE IN A LIFETIME

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フィリピン留学から人生が変わった一人の男のお話です。

アメリカ入国後、真っ先に訪れたかったお店は、何といってもマクドナルドだ。フィリピン・セブ島のマックを皮切りに、順に香港、台湾、マカオ、そして中国大陸と訪れていったが、やはり何といってもアメリカはマクドナルド発祥の地だ。一応、日本に3つある米軍基地内のマクドナルドは、アメリカのメニュー直輸入で構成されてはいるものの、全部ではないし、もちろん期間限定メニューなども存在しないので、日本の店舗で言うならば、たまにあるテリヤキ未販売のような感じで完全なお店ではない。

アメリカ入国後に初めて見る事の出来た店舗は、経由地のダラス・フォートワースだ。国際線のゲート前付近に位置しているのだが、何度も目にしたロゴであるにも関わらず、さすがに感動のあまり「おおっ」となったものだった。しかし、広大な敷地を誇る当空港、万が一乗り遅れでもしたらたまらない、よってチラッとみただけで尋ねる事はせず、結局朝食は、当該ゲートの目の前にあったウェンディーズで済ました。

よって、正式に訪れた初の本場マック、と言えるのは、あまりにも有名なMマークのロゴが輝かしい、あのタイムズスクエア目の前のマックだ。世界中の人々たちが集結する「世界の交差点」、もちろん店内は、常に人でごったがえしている。そして記念すべき初オーダーは、日本はもちろん、基地にすら存在しないクラブハウスを選択した。パティはクリスピー、グリルチキン、そしてクォーターパティの3つから選択出来るが、鶏肉の嫌いな私はもちろん3番目を選択した。需要に対して席数が少なすぎる、と言うのもあるだろうが、基本的にマンハッタンの店舗はテイクアウトがデフォだ。ちょうど昼過ぎで席にも余裕がなかった事もあり、仕方なくお店の正面で食した。

また、基地の影響もあってか、アメリカはドリンクバー形式もデフォだと思っていた。しかし、マンハッタン内に限って言えば、経験上9割方はノーマルだ。まあ向こうはMサイズでさえ、日本のLサイズ以上はあるし、量的には十分だ。しかし、当然あればあったらで、色々な種類を一度に味わえる事が出来るのだから、時間的に余裕がある時はなるべくその店舗を訪れるようにしていた。

しかし、前述のように、マンハッタン内においてドリンクバー店舗は限られている。その中で重宝したのが、Grand Central駅南西に位置する店舗だ。カウンターは広くなく、サンドイッチも高めの店舗ではあるのだが、最新式のタッチパネル式ドリンクバーが3台も置かれており、コカコーラ系の様々なドリンクを味わう事が出来た。

上記でも触れたように、マクドナルドでは店舗別価格を導入している。しかし、日本では「地域別」価格であり、同じ神奈川県内であれば、店の規模、人口に関わらず、座間だろうが海老名だろうが全て同一価格だ。しかし、ここ本場・アメリカや、香港では店舗によって価格が異なる。しかし、狭い香港であればそれは理解出来る。しかし、このだだっ広いアメリカにおいても、地域ではなく店舗ごとに細かく値段設定がされている。

しかも、単純に安い、高いではなく、何とメニューの種類毎にさらに細かい価格設定がされているのだ。たとえば、アイスコーヒーは全サイズ2ドル以下で買えるのに、サンドイッチ全体の価格はべらぼうに高かったり。逆に、チーズバーガーは1ドルで買えるのに、他のサンドイッチやドリンクは最高値レベルだったり。おそらく、地域毎に傾向を弾き出して、そこからサンドイッチ別の単価を細かく設定しているのだろうが、おかげさまでマンハッタン内においてセットメニューを購入する事は皆無だった。

しかし、当然マクドナルドを見る度に中に入らずには居られないので、マンハッタン内の主要エリア、大体レキシントン~8番街、34~54ストリート付近のマクドナルドの位置は大体把握していたものだ。最も通う頻度が高かった店舗は、オフィス目の前の店舗と、前述のGrand Centralの店舗だった。しかし、やはりセットを買うのには抵抗があったので、大体はCB1個とコーラ1個と言う感じであった。また、モツァレラスティックなるものが3本入り1ドルで売られていたので、それもずいぶんお腹の足しにはなったものだ。

よって、セットメニューを買うのは週に1度、休日のお楽しみだった。もちろんクイーンズの店舗であり、徒歩7分の最寄店舗、クイーンズ・センターのフードコード内、そしてフォレスト・ヒルズの3店舗が中心だった。最寄のエルムハーストは新世代店舗であり、デザインや機器などはもちろん最新だ。日本や香港での最新型店舗も同様なので、やはり基本コンセプトはアメリカ発と言う事が伺える。日本ではまだ見られないが、アメリカや香港ではレシートナンバーで呼ばれるのが基本であり、その順番が天井から設置されているモニターで見ることが出来る。

しかし、最新と言う事もあるせいか、最寄店舗はサンドイッチの価格が異常に高かったので、後にはまる事となるアイスコーヒー以外で行く事は少なかった。その代わり、後者2つはリーズナブル、と言う事もあり、電車に乗る必要があるにも関わらずよく通ったものだ。当然その時はセット中心であるが、基本メニューは他国と大して変わりはないので、やはりそこでしか買えない限定メニューが中心だった。

私の滞在中は、サーロインステーキを使用したメニューが販売されていた。呼んで字のごとく、それ限定のサーロインを使用しており、ベーコンアンドチーズ、レタスアンドトマト、そしてステーキハウスの3種類が販売されていた。お肉の出来立て加減にもよるが、焼きたてに近ければファストフードを超えた味を堪能する事ができ、特にステーキハウスは絶品だった。価格は単品5.29ドル、プラス2.50ドルでセットが基本だが、前述のフォレスト・ヒルズのお店ではそれよりも安く買えたので、ねらい目だった。まあ税金を加えると8ドルは軽く超えてしまうのだけれど。

6月1日からは、サマーブレイクメニューなるプロモーションが開始された。Sサイズのポテトに、それぞれダブルチーズバーガー、フィレオフィッシュ、6ピースナゲット、そして昔日本にもあったチキンのマックラップみたいなものが付いて、安ければ2.50ドル、高ければ3ドルで販売されていた。特に、フィレオフィッシュは単品でも3.99ドルはしたので、どう考えてもこのセットで買った方がお得だ。なので、6月以降は最低週に1度のペースでお世話になったものだ。これは大変ありがたかった。

因みに、私はケチャップが大好きなので、ポテトを食する時には絶対に欠かす事ができないのだが、お客が自由に取れるか否かも、ドリンク同様店によってまちまちだった。タイムズスクエア最寄の巨大店舗2店は、いちいち注文時にかまっているほど余裕もないので、客が取り放題なのであるが、大抵の店舗は店員に頼む必要があるので、その辺りの見極めも大切だった。まあドリンクバーほど優先性は高くないかもしれないけど。

そういう訳で、しばらくの間は、マックと言えば上記でローテーションをするのが決まりであった。しかし、ある日何気なく注文した、バニラ味を加えたアイスコーヒーが異常なまでに美味しく、それはまさにこれまで、少なくともコーヒーにおいては経験した事のないぐらいの旨さであった。日本に居る時は、セブンイレブンのセブンカフェにはかなりお世話になったものの、正直マックでアイスコーヒーを注文した事は数えるほどであり、5回もなかったと思う。それが、何故いきなりアメリカにおいて注文したかは定かではなく、きっかけも店舗も完全に忘れてしまった。

しかし、このバニラ味アイスコーヒーの衝撃たるやすさまじいものがあり、休憩中や帰宅後も、マックに寄れる余裕がある度に注文していったものだった。もちろんLサイズで。しかも、オフィスからの最寄は税金込みのLサイズでも1.85ドルしかしなかったので、後半はほぼ毎日と言っていいぐらいお世話になったものだ。因みに、バニラ以外にも、ミルク、キャラメル、ノンシュガーのバニラと計4種類から選べ、一応全部試してみたのだが、やはりバニラが格別に最高の味だった。

バニラと言えばシェイク、と言う訳で、基地でもシェイクを使用して試せないかと考えた私は、早速帰国直後に試したのだが、それに加えてガムシロップ3つを加えた状態でほぼ再現出来た。あのアメリカ本土の味が、基地と言う特殊な環境ながら再現出来た瞬間は、思わず笑みがこぼれたものだ。しかし、当然アイスコーヒーとシェイクを同時に体に入れる事になるので、胃には悪い。

セットは前述のよう、サーロインが基本であったが、たまにクォーターパウンダーデラックスなるものも3回ほどは注文した。通常のクォーターにレタスとチーズ2枚、トマト、マヨネーズを加えたもの、つまりビッグンテイスティの豪華バージョンと言った方が近いのだが、アメリカではすでに存在しないメニューなので、こちらでは純粋にクォーターの豪華版であった。日本でも売ればいいのに、とは思うのだが、トマトはコストが高いわりに賞味期限が短いので、なかなか実現は難しいのかも知れない。しかし、最近オプションでトマトを加えられるプロモが開始されたようなので、やって欲しい気もしないではないのだが。

また、日本では昨年、業界を激震させた、中国における大不祥事が発覚し、業績に大ダメージを与え、未だ売り上げは回復するには至っていない。アメリカ本土でも、Shake Shackなど新興のチェーンに押され、2パーセントほどのマイナス、と言う事であったが、日本と比べればまだまだ盛況だ。しかし、世界のニュースで見かけるよう、従業員のデモの影響か最低時給がどんどんあがりつつあるニューヨーク、当然、そのしわ寄せはレーバーカットと言う影響でやってくる。そのためか、客が十人近くならんでいるにも関わらず、2台目のカウンターを開けれないなど、日本でもお馴染みの光景をまま目にする事もあった。最近、最低時給を15ドルに上げる、なんてニュースもあったが、正直な所、日本のレベルに大きく劣る動き、サービスを見る限り、それは高すぎる、と思うのは私だけではないだろう。商品の種類はともかくとして、店員のレベル、そしてスキルにおいて日本は間違いなく最高レベルだ。

これまで綴ってきたよう、セットの価格が日本よりも遥かに高い事から、セットを買う頻度こそ低かったものの、NYC滞在中にも随分とお世話になったものだ。最後に訪れた本場のマックは、ダラス・フォートワース空港の当該ゲート前であり、これからはしばらくは訪れる事はないだろう。しかし、つい最近東アジアにおける最大級店舗、日本国内のフラッグシップと言われる六本木ヒルズ店にも訪れる機会があったが、正直スケールに関しては、タイムズスクエアの42番ストリート、マダム・タッソー横の店舗のスケールにはとても適わないものだった。野球、プロレスと同様、マクドナルドの本場もアメリカである、と言う事を滞在中は常に感じさせてくれたものだった。
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