私の最初の海外渡航先は韓国であり、学生時代に囲碁の試合でソウルに招待された。
そして現在のところ最後の渡航先も韓国であり、海外中心生活が始まった頃のブログを下添する。
なお韓国ではこの数十年囲碁ブームが続いており、囲碁専門のTV番組が2チャンネルあって渡韓した仲邑菫(画像下)は大スターであり、飲みに行けば周囲の連中と囲碁の話題で盛り上がることができる。もっとも最近は仕事で渡韓しているので対局はしていないが。
(2021年11月12日 作成)
昨年末42年勤務した会社を退職しフリーのコンサルタントになったものの、顧客は全て海外でありコロナ禍で訪問できなかったが、渡航制限緩和でようやく海外中心生活が始まった。
まずは2週間韓国を訪問したが、次回も正月を挟み2か月程度の渡韓になりそうである(旧正月なので日本の正月は関係ない)。
あまり長期間の海外滞在はしたくないのだが、現在のように帰国後の隔離・待機とか入国者健康居所確認アプリ(MySOS)とかビザ取得や隔離期間短縮に日韓での受入責任者がどうのこうのとかで長期間拘束されると頻繁に行ったり来たりするのは不便なので、コロナ期間中は(いつ終わるのか?)どうしても長期滞在になりそうである。
久しぶりの海外という以前に久しぶりのリモートではないface to faceの仕事なので少し戸惑ったが、やはりコンピューター画面相手ではないリアルの人間相手の仕事はいいものである。
おまけに仕事後の飲みにケーションも楽しめるし・・・というかそちらがメインの目的でこの歳になっても現役で仕事をしているのかもしれないが。
韓国は20年ぶりくらいであったが最近の経済成長により物価も急上昇しており、スターバックスの価格は日本より高くて驚いた。ただし私が滞在した田舎街に行けば飲み食いの費用はだいたい日本の50-70%くらい・・・といっても食費等は全て先方負担というコンサル契約なので私は払っていないのでよくわからないが。
先方も社費なので遠慮なくいい店(田舎にしては)で毎日が大宴会となったが、酒も料理も昔とはかなり状況が変わっていた。
まず酒であるが最も好まれるのが韓国焼酎(画像下:ソジュ・日本でいえば甲類)をストレートで飲む手法で、ちょっとお行儀は悪いがビール(普通のビールより炭酸強め)と混ぜて箸やスプーンで衝撃を与えてさらに炭酸を泡立たせるソメクとかいうのも流行っている。
韓国焼酎といってもメーカーは日本でもお馴染みの鏡月や眞露であるが、日本で主流の水割りに向いた25%の無味無臭のものではなく16%(世界の蒸留酒では一番弱いかも)くらいの少し甘味があるグレードである。確かに飲みやすいもののそればかり飲んでも美味しいとは思えないので、私はいつものようにビールと交互に飲んでいた。
この飲み方は30年ほど前に北欧で覚えたもので、連中はビールとウォッカ等の蒸留酒(デンマークならオールボー、スウェーデンならアブソリュートウォッカ、フィンランドならフィンランディア)を交互に飲んでおり、ビールチェイサーとはちょっと違ってビールとウォッカを両方楽しむ飲み方である。
宴会といえばカンペ―・カンペ―と白酒(代表銘柄はマオタイ)の一気飲みばかりやっている中国でもこの飲み方を紹介したところ、連中もマオタイはいくら中華料理には合うとはいえこればかりずっと飲んでいるのはきついと思っていたのか非常に受けて、皆がこの飲み方を始めたことがある。
ただやはり韓国焼酎はソフト過ぎてこの飲み方は合わないかな。しかし最終日の韓国財閥の御曹司主催のお別れ会では、同氏がプライベートで作らせているという40%程度の酒(蒸留は中国で行っているということなのでこれはもう韓国焼酎とはいえないが)が出てきて、ちょっと薬膳がかっているが流石の味であった。
韓国料理といえば日本では何といっても焼肉のイメージであり、牛・豚・羊と各種堪能したが、サンチュ(チシャ葉)で巻いて各種薬味やタレをつけてという昔からの食べ方はもう流行っていないそうで、もっぱら小皿に取った塩または僅かに胡椒が入った塩を付けて食べている。日本でも天ぷらには天つゆよりも塩が当り前になり次はトンカツもソースでなく塩で食べるのが流行りつつあるのと状況が似ていると思ったが、要は本当に美味しいものならシンプルな味付けが良いということだろう。
ただしサンチュ巻きは全く廃れたというわけではなく生肉や内臓系の料理にはよく用いられており、これは臭みを中和させるという意味では合理的である。
そして内臓系料理は・・・これはやはり韓国料理が一番美味しいと思うし、血が滴るようなレバ刺し(日本でも復活望む)やトグロを巻いたコプチャン(小腸)を焼いてハサミで切って食べるのは絶品である。
そしてハサミといえば韓国料理の鉄板焼きには必需品である。たいていは店の方が切ってくれるのだが、参加者に鍋奉行ならぬ鉄板奉行(笑)みたいな方がいると店の方を制してワシが切ると仕切る場合もある。
ウナギ料理の店-といっても日本のような蒲焼ではなくヌルヌル動いているのを一匹ずつ開いて丸ごと鉄板焼きにするのだが、焼けてくるとやはりハサミの登場でぶつ切りにする。その席ではやはり鉄板奉行がいてワシが切ると仕切っていたが、その方もウナギは初めてだったようで相当ビビっていた(何せ頭を残して開くので首振り運動はするし視線?が合うことも)のは面白かった。
そして刺身もまた美味く、白身魚はさすがに日本にはかなわないがホヤ(岩手の本場でもこのレベルはちょっと味わえないと思う)やアワビ(日本では高級品だが韓国ではアワビチャンポンを頼めば麵が見えなくなるほど載っている)の刺身の旨さは・・・
また驚いたのは韓国人自身は自国の代表料理は刺身などのシーフードだと思っていて(確かにプサンのチャガルチ市場の規模は築地以上であるが)日本ではこんな旨い魚は食えないだろうと何度も云われた。これに対して焼肉(特に牛)は日本の代表料理だと思っていて、仕事で付き合う韓国人のほとんどは日本渡航経験があるがその時に食べた和牛(ワギュウはもう韓国語になっている)焼肉の写真をスマホに保存してこれは旨かったとうっとりしている・・・
なんだか飲み食いの話ばかりになってしまったが、酒はともかく韓国料理は私に合っているようで、3食すべて韓国料理が長期間続いても特に問題はない。
ただ辛い味付けでビールが進むのは健康上問題であるが、紀元前2000年頃のメソポタミアの文献にもビールの売り上げを伸ばすには料理を辛くしなさいとあるように、これは千古の鉄則であるからやむを得ない・・・かもしれない。
まあ韓国は世界で最も飲みにケーションを好む国だと思うので、これも仕事のうちと言い訳しながら正月も日本にいるとき以上に飲み飽かすことになりそうである。
(2022年11月13日追記)
素材開発と知的財産権のコンサルタントと自称(笑)しているが、現在はぶっちゃけ評論家みたいなものでプレイヤーじゃないからストレスもない。
プレイヤーに戻りたい気はあるけど、こんなロートルにプレイさせてくれる顧客がいるかどうか。
(2022年03月10日 追記)
コロナ拡大で正月をはさんだ訪韓は中止。それどころか一昨日の感染者数は34万人で韓国は世界一危険な国になった。
昨年末の訪韓時には日本よりはるかに安全だっのに・・・
韓国の顧客とはたまに訪韓しさえすれば人生のピーク時に匹敵する年収で契約しているのだが、タイミングが悪い時はこんなものか。