すっかりクリスマス?って感じでしたが、わたしの心はもう、クリスマスもすっとばし、お正月へと飛んでました。
実は、この日、第85回箱根駅伝のシンポジウムがあったのです。
今度ラジオで、箱根駅伝の番組を放送するのですっが、その取材。
今回のシンポジウムのコーディネーターは金哲彦さん。1部と2部に分かれています。
まず、1部が、「世界の今」
パネラーが、めちゃくちゃ豪華!
だって、まずは有森裕子さんでしょ、実業団からは、この前北京を走った尾方選手、さらに中国電力の坂口監督。なんか、オリンピックとニューイヤー駅伝と、女子マラソンと、いろんなものをいっぺんに見てるようで、くらくらしてきます。
また司会は、日本テレビのアナウンサーと、ソウルオリンピック、シンクロで小谷実可子選手とデュエットをくんだ田中ウルヴェ都さん。現役引退後コーチとして活躍し、今は、メンタルトレーナーとして活動されています。
そこで、いろんなトークが交わされたわけですが、尾方選手は、今回の北京について、「結果=達成感だと思っているので、今回は何をしにきたのかというくらい、まったく達成感がない」と実に厳しい言葉をいっていた。
男子マラソンの世界は、高速化がすすんでいる。でも、日本の指導っていうのは、世界でもトップクラスなので、体型のハンデをのりこえて、世界にどれだけくらいついていくかが大事になると話していた。
そして、練習方法として、最近、高地トレーニングをとりいれるところがふえているが、それについて、有森さんは「意識がなければ、どこで何の練習をしても同じだ」といっていた。
何のために、どうなりたいから、今、この練習をしているのだ!という強い自覚をもって、練習にのぞむほうが大事なんだそうです。
今は、国民的ヒロインの有森さんですが、高校、大学と、まったく芽がでなかったそうです。
すごく遅くて、でも、心だけはタフだったとか。
また、メンタルの話になったとき、小出監督がよくいう話として、「ナタとカミソリ」の話がでていた。
カミソリは、切れ味は、すごくいいけれど、何度も使うと刃がおれたり、使えなくなってしまう。でも、ナタは切れ味はシャープではないけど、強くて絶対壊れず、何度でもつかえない。
マラソンで成功するのは、ナタタイプで、当時の高橋尚子選手は、小出監督にとって最高のナタだったそうだ。
いい話が泉のようにわきでてくる、ステキなシンポジウム。2部は、司会が金哲彦さん。
そして、神奈川大学の名将、大後栄治監督、また、国際陸連医事アンチドーピング委員の山澤先生、また1部にひきつづき、田中ウルヴェ京さんが参加のトークショー。
前回、3校が途中棄権。たすきが繋がらないという事態がおきたけど、そのうちの2校は、脱水症状が原因だそうだ。
東海大は、蒲田の踏み切りで足をはさんで、ひねってしまったとのこと。これは、もう仕方が無い、交通事故のようなもの。でも脱水症状は防ぐことができたはず。
そこで、大学側はリポートを提出し、今後そのようなことがおきないよう、他の出場校の監督たちともその情報をシェアしたそうだ。
ちなみに、箱根駅伝の途中棄権の原因ベスト3っていうのも教えていただいた。
○3位が、さきほども話にでた、脱水症状。
カラダの2%の水分を失うと、人間はパフォーマンスがおちるそうだ。
ちなみに、冬のマラソン、およそ1時間走った場合。
700ml~2200mlの水分がカラダから失われるそうです。平均しても1500ml。
箱根ってハーフマラソンくらい走るのに、給水が1箇所しか行われないんだとか。
(しかも、昔、金さんたちが走ってた頃は、給水自体がなかったらしい・・・[E:shock])
○2位が、肉離れ。キックの強い、短中距離選手がおこしやすいそうです。
以前法政の徳本さんが危険したときも、確か、肉離れだったはず・・・
○そして、1位が、疲労骨折。この前の段階として、シンスプリントといわれる練習のしすぎですねがいたくなる症状がでます。箱根の選手は月間720キロくらい、合宿のあるときは、1000キロ以上走ってるそうなんで、そんなこともあるんですね。
取材といいつつも、いろんな話がきけて、楽しかったです。
ちなみに、シンポジウムがおわって、ホールをでたら、こんなチラシを配ってた。
映画化される「風が強く吹いている」のエキストラ募集のちらし・・・。
そうえいば、これ、駅伝の物語ですもんね。