さて、昨年の熱狂的な世間のクイーン熱もさすがに半年たったら落ち着き、そこまでクイーンのことが語られることはなくなりました。

どうも昨年度は第三次クイーンブームだったようですが、もう当分ブームは来ないと思いますし、これからはビートルズのようにブームに関わらず常に全ての世代に愛されるような音楽として語り継がれたいです。(ビートルズを最近の若い人達が聴いているのかどうかは知りませんが)

 

前回クイーンは一回では語れないということで、あえて「クイーン①」という題名にしましたので、とりあえず第二回目を書きます。

今日はクイーンのメンバーの中で私が最も好きなメンバーのことを書きます。

クイーンと言えば、当然フレディ・マーキュリーが誰でも思い浮かべますが、決してフレディだけではあの音楽は創造できなかったのです。

それは映画をご覧になった人であれば、よくわかると思います。

クイーンの楽曲はどこかのバンドみたいに全てが一人でつくられているのではなく、メンバー全員が楽曲を書いており、クイーンを語るにはメンバー四名の全てを語らないといけないということになります。(中学時代、班日誌にクイーンの紹介をして、同様のことを書いた覚えがあります)

 

では、私はどのメンバーが好きなのでしょうか。

実は、ヒゲのフレディでもなく、カーリーヘアのブライアンでもなく、美青年のロジャーでもなく、最も地味なベースのジョン・ディーコンなのです。

ジョンは四名の中で最も加入が遅かったメンバーで、大学で電子工学を専攻したというエンジニア系です。

昔のクイーンの自伝に、ジョンが加入した理由として、ベースの腕前もさることながら、その電子工学の知識にメンバーが惹かれたということです。

実際下手なスタッフよりも機材の知識があるので、ツアーでも簡単な修理からジョン自身が行っていたということもあったそうです。

また、芸術家のフレディ、学者肌のブライアン、歯医者崩れのロジャーよりも実務対応力があり、契約関係は全て彼がやっていたとネットには書かれています。

 

そんなジョンですが、実は音楽的にかなり優れています。

ベースはクイーンの音楽を特性上、決して表にはでてきませんが、かなり手堅く、また結構凝ったフレーズを奏でており、ステージ上も含めてクイーンの下支えをしております。

しかし、最も優れているのはそのソングライターとしての才能です。

ジョンの曲がアルバムにはいるようになったのは、三枚目の「シアーハートアタック」からで、それまではフレディとブライアンが半分ずつ、ロジャーが一曲だけという感じだったところにジョンの曲も一曲はいるようになったのです。

アルバムでのジョンの曲は、緊張感のあるサウンドや重たい歌詞の曲の中で、ほっとするようなポップで優しいメロディーと歌詞で、ジョンの曲を楽しみにしていた覚えがあります。

アルバム「シアーハートアタック」では明るいアコースティックサウンドの「ミスファイヤ」、「オペラ座の夜では映画でも語られていた「マイベストフレンド」となり、映画では「マイベストフレンド」をシングルにどうだ、みたいな下りがありましたが、誰でもわかりやすいという意味ではよくわかる気がします。

それではクイーンらしくない、という意見もあるかもしれませんが、それがあってこそのクイーンだと思います。

 

さらに、アルバム「華麗なるレース」ではこれでもか!というくらいのポップサウンドの「ユーアンドアイ」、「世界に捧ぐ」ではフレディの熱唱(珍しくコーラスパートが無い!)とブライアンのギターソロが素晴らしい「永遠の翼」、「ジャズ」では明るいハードロックサウンドにクイーンらしいコーラスが凄い「うちひしがれて」とバラードの「セブンデイズ」。いずれも明るいメロディーで聴いている人たちを幸せな気分にしてくれるものでした。

そして、裏方に徹しながらもミュージシャンとしてクイーンを牽引してきたジョンは、「地獄に道づれ(Another One Bites The Dust)」により、全米トップを勝ち取るという偉業を成し遂げました。

 

ただ、実はこの「地獄に道づれ」は私にとってはかなりショックでした。

なぜかというと、ジョンの曲は前述の通り、ポップで明るい存在で、こんなダークな曲を書いたということで当時は結構抵抗を覚えました。同じくアルバム「ザ・ゲーム」に収録されていたもう一つのジョンの曲「夜の天使」はジョンらしいポップなサウンドで、よけいにこんな曲をなぜ書いたのかが理解できませんでした。

実はジョンはメンバーの中でもブラックミュージックへの興味があり、それが現れたのがこの曲だったのですが、当時の私にはそんなこと理解もできなかったです。

でも、これはブラックに傾倒していたジョンにしか書けない曲であり、これがあるからこそ、クイーンというバンドが如何にすごいのかという証明にもなる曲であり、好き嫌いはともかく価値は認めなきゃいけないですね。

 

ジョンはフレディ没後、追悼コンサート以外ではほとんど出てこなくなりました。

後々ブライアンとロジャーがポールロジャースやアダムランバートとクイーン名義でツアーにでても参加もしていません。

映画ではフレディからは結構いじられ、馬鹿にされていましたが、「地獄に道づれ」以降ダンスミュージックに傾倒したころはかなりフレディとジョンの協力関係で曲がつくられたようでした。フレディはジョンの才能を認めていましたが、ジョンもフレディこそがクイーンのボーカルとして認めていたので、でてこなくなったんでしょうか。

いずれにせよ、クイーンというとフレディに目がいってしまいますが、ジョン・ディーコンという才能あふれるミュージシャンがあってこそのクイーンであったと私は考えています。

 

私がジョンの曲で最も好きな曲は「ユーアンドアイ」です。

こんなポップで楽しい曲もクイーンの一部なんですよ。

でも、残念ながら、ライブでは一度も演奏されなかったそうです....