アトピーとは・・・![]()
ギリシャ語の「atopia」に由来し、「奇妙な」という意味です。不思議で原因不明、
そして、奇妙な皮膚病、これがアトピー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎は乳児期・幼児期・思春期&成年期の3段階に分かれます。
今回は「成年期のアトピー症状について」です。
アレルギーの可能性
アレルギー症状の可能性はありますが、アレルギーとは断言できません。
私たちの身体には外から入ってくる異物(アレルゲン)を排除しようとする
『免疫』と呼ばれるシステムがあります。これは身体を守るためになくては
ならない仕組みですが、時に必要以上に作用したり、不適切に働いたりし
て、逆に身体を傷つけてしまうことがあります。これがアレルギーです。
ほこり・ダニ・カビ・ペットの毛・建築物の素材などの吸引性アレルギーや
食物性アレルギーに加え、化粧品や装飾品などによる接触性アレルギー
の影響も考えられます。
防御機能の低下(皮膚のバリア機能の低下)
アトピーの症状を持つ方は健康な人に比べると皮膚の防御(バリア)機能が
弱いことが特徴としてあげられます。
防御機能が落ちると皮膚が敏感になります。

ちょっとした刺激でカユミが出ます。
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かゆいと薬を塗りますが、薬を塗りながらかいてしまいます。
このように悪循環になってしまい、改善できません。
例えば、子どもは眠いとバリア機能が落ちます。バリア機能が落ちるとカユミ
が出ます。かゆいので擦ります。そうするとバリア機能がまた落ちる。この悪
循環と同じことです。つまり改善するには防御機能を上げることが大切となっ
てきます。
防御機能を上げるには、
睡眠を正しい時間にしっかりとる。 (入院すると21時消灯、6時起床です。)
ステロイド(副腎皮質ホルモン)という体内で作られるホルモンがあります。
このホルモンのタンクは朝8時に満タンになっており、時間の経過とともに
徐々に減っていきます。夜の8時にタンクは空になり、皮膚のバリア機能は
低下します。ですからなるべく早い時間に寝て、朝起きるという規則正しい
生活がとても大切になってきます。
皮膚内にセラミドが足りている。
角質層がきれいに並んでいると、肌の水分が維持されバリア機能が働きます。
この角質層は細胞間脂質などが糊の働きをしてつながっています。細胞間脂質
の主成分はセラミドです。セラミド自体でも水分を保持する力があり、天然保湿
因子を抱え込むことによって水分を保持し、角質細胞をサンドイッチ状に張り合
わせることで肌表面はなめらかになり、水分の蒸発を防ぐことができます。この
重要な働きをするセラミドは、アトピー性皮膚炎の肌にはもともと少ないことが分
かっています。そして、セラミドは加齢とともに減少してしまいます。つまり補って
いくしかありません。また、最近は間違った摩擦などのお手入れによって角質層
がうろこ状に並ばずに水分蒸発につながっている方も多いようです。
と
の条件がそろうことが必要です。

