今回はフェアトレードの問題点、課題点をいくつかあげたいとおもいます。


まだフェアトレードについて多くを語っていないので、少し早いかもしれませんが、最後にフェアトレードについて調べる事ができるサイトを載せますのでご了承ください。



●フェアトレードが与える現地文化への影響●


欧米のフェアトレードショップでは、最近、クラフト類のフェアトレード商品のデザインが西洋風のものが多くでてきていると聞きます。


何度か目にしたことがあるのですが、とてもアジアで生産されたようにはみえない代物ばかりでした


STEPのメンバーと関西のフェアトレードショップめぐりをしたときは、どのお店も伝統工芸品をおいており


エスニック系のアイテムばかりでしたのでそういうものだとおもっていたのですが


フェアトレードの普及や商品開発の進んでいる欧米では欧米人ウケするデザインをつくり、それを現地で生産しているそうです。


それによりフェアトレードの普及は広まるのですが、現地の伝統文化や、美的感覚、感性などの多様化が失われてしまうのでは???


という問題点がでてきます。



●フェアトレードの大衆化。認証商品と非認証商品●


現在、日本のフェアトレード市場は、認証商品(FLO)市場が18%で、非認証商品が82%(2008年)


非認証商品とは、各NGOやフェアトレード団体が独自に輸入をしているものということです。


そして、普及の進んだ欧州では認証商品(FLO)市場が90%で、非認証商品が10%(2007年)です。


この事で危惧されるのは、フェアトレード商品とは認証マークがついていないとフェアトレードではない


と勘違いされてはいないかという事です。フェアトレードは認証マークがなくても


独自に生産者の支援を行っている事はもちろんありますので、認証マークがあることがすべてではありません


その点が誤解されるとせっかく素晴らしい活動をしていても淘汰されてしまいます。


又、今後日本でも普及が進みスーパーで購入できるようになり、


いままで普及活動に全力を注いでいたフェアトレードショップへの利益還元が損なわれることも危惧されており、


普及のすすんだEUでもフェアトレードショップ経営はとても難しい状態にあります。


●質の低いフェアトレード認証マーク●


FLOやWFTO意外に、NGOやフェアトレード団体が独自にフェアトレードの認証マークをつくっていることがあります。


しかし、それらのマークの基準や監査の質がとても低い場合があることが問題視されています。


言葉で読むとなるほどフェアトレードだな。と思わせる説明のあるマークなのですが


実際に詳しく調べると、基準があいまいで緩く、最低基準がなかったり、持続性がなく、生産者へ圧力的であったりします。


しかしながら、質を落とすことにより大量に認証商品を市場にまわすことができるという点もあります。


ただ、それが本当にいいことのなのか、そういった認証マークの普及により、質の高い認証マークが淘汰されないのか


それが一般的になってしまわないかという危険性があります。


●フェアトレードでは貧困からぬけだせない。●


『最底辺の10億人』の著者Paul Collierさんは次のように言っています。


「フェアトレードはアフリカの貧困問題への根本的な解決策にはならない。


現地の人々がこれまで依存してきた農業に代表される産業を保護することによって、逆に、彼らを貧困のサイクルに閉じ込めることになりかねない


・・・・中略・・・・


フェアトレードは実際の効力よりも、先進国の人々がアフリカの農民たちに対して描く憧憬に依存しているような気がする。


・・・・中略・・・・


アフリカの将来を担うのは、牧歌的な農民が生産する農作物ではなく、新しい産業と都市の発展だ。


実際、アジア諸国はそうやって経済成長を遂げてきたではないか。」


開発というのはとても難しいものです。上記に文化の多様性を大切にすべきという形でも言いましたが


はたしてそれは本当に現地の人が望むものなのか、というと難しい話です。



◆まとめ◆



上記にあげた以外にも、フェアトレードの農園以外の農民の貧困、排除される中間業者の失業等々


さまざまな問題がフェアトレードにはあります。


ただし、そういった問題をいってはいられないほど、世界の貧しさというのは深刻な状況にあるのも現実です。


私自身、何度かフェアトレードの活動をしている人に質問をなげかけたこともあります。


LOVE&SENSEの高津さんも、FLOの代表の方と対面した時にいろんな質問をしたことがあるそうです。


そしてかえってきた答えとは、


「たしかに、フェアトレードは完璧なシステムではないし、矛盾も抱えている。

しかし、誰かが動き出さねば、世界はかわらない。

走りながら考えることもできるし、

多くの人に、世界の貧困の現状を知らせることが最も重要だ。」


このように答えがかえってきて納得して今、フェアトレードの活動をしているそうです。


私たちは、こういった問題に向き合って考え続けなければいけないと思います。


それが、社会の一員としての責任でもあると思いますし、STEPでも興味をもってくださった人に


できるかぎり答えていく為にもしっかりと考えていきたいと思います。




●フェアトレードについてのリンク●



高津さんのブログ  

フェアトレードのセレクトショップLOVE&SENSEの代表の高津さんのブログです。

欧州から素敵なフェアトレード商品を仕入れて販売しておられます!

LOVE&SENSEのHPはこちら


フェアトレードリソースセンター

フェアトレードに関する論文・レポートなどをネット上で読むことができます。

フェアトレードに関するニュース等も届けてくれますし、フェアトレードを詳しくしりたい!という人には

とてもいいとおもいます。


フェアトレード学生ネットワーク

大学生によるフェアトレードのネットワークです。

STEPもメンバーが集まり、ちゃんとまとまれば加入予定です。


FLJ

FLOの日本機関です。


ふぇあうぃんず

ここのメールマガジンがすごく勉強になります!


関西フェアトレードマップ

フェアトレード商品・・・興味はあるけどどこで買えるの?見てみたいけどどこにあるのかわからない

という方はぜひここからお店を探してみてください♪







説明不足な点が多々あるとおもうので、本当に、気軽に、コメントしてください♪←毎回しつこいですかね(笑)