積読期間は一か月以内程度だったので、手にしたタイミングは早かった方だと思う。五代ゆうという作家を初めて知った。表紙が少女漫画的な透明感あるイラストだったから買った小説。こういうのもジャケ買いっていうのだろうか。なんでもこの小説は2000年に発行されたものが、二度目の文庫化という形で登場したらしい。

上下巻読み終わってみての感想。

文章からしか場面や風景を想像できない読者のために具体的な説明がもう少しあってもいいんじゃないかと感じることが多かったなと思う。出てくる物や設定は、異世界のものだけど、作者とその世界観を共有できるほど、そのファンタジーの基本設定に慣れてるわけじゃない。そういう読者が、より深く物語を読みとるためにはその設定に関する説明描写は必要なんじゃないかと思うんだけどな。

でも、過去から現在、現在から過去を行き来しながら進んでいく物語の構造はダイナミックで、壮大なものであったしぐいぐい読める。読後には白くあたたかい光のような、そういうものが残されて、悪くないものだったと思う。ハッピーエンドがやっぱり好きだ。

詞(ことば)がキーワードだったんかなと思うけど、なんとなくもともとの漢字・言葉がもつ意味というかイメージと、物語におけるそれの位置づけをより合わせながら読むのが難しくて、ちょっと消化不良だったなと思う。

またいつか読み返してみたら、もう少し客観的に組立や関係性が見えてくるのかな。