むすめの大臼歯がひとつ抜け落ちた。見ると下からもう永久歯が生えてきていた。

この大臼歯が抜けるときはなかなか大変で、親知らずなんて歯医者で抜歯するかたも多いんじゃなかろうか。まだ乳歯は浅く生えてるからポロンと音がしそうな程、あっけなく抜けたけど。永久歯の奥歯はがっつり歯肉に根を生やしてるから、抜けるときに血を見ることも珍しくはないはず。血液が止まらない病気なら生死に関わりかねないくらいのダメージだろう。

さて、朝一番であっさり歯が抜けたむすめは食欲亢進、熱が下がったこともあり表情も明るくなった。

髪が抜けるとき、いちいち痛みが伴うとしたら、抜け毛は一大疾患になるのだろうけど、髪の毛は落ち葉のようにひらりと音もなく落ち行く。→詩的に書きたくなるよな。いつのまにか毛は姿を消すのだった…。あるいは白くその姿を変える。→ほんとはそっち希望。

と、蛇や蝶など数多の生き物は脱皮をするが、痛くはないのだろうか。ぬめぬめと湿った体が中から現れ、前に纏っていた皮はやがて乾き、ただの残骸となる。訊いたことないからわからないけど、どうなんだろうな。

人間も落屑はあるし、新陳代謝はしてるのに、日々生まれかわっているはずなのに、頬に現れたしみは消える気配がない。常に老いに向かい変化している。

子供ですら、実際はそうなのだ。
落ちた乳歯と別れを告げ、あとの人生は永久の歯と生きていく。そう、あと70年ほども。こう長生きな世になったのなら、40歳前後でもう一回くらい歯が抜け変われば人間はもっと長生きになるかもしれない。そう考えたらうんざりしてきたから、今の永久歯やら歯肉をだましだまし使えばいいや。ということにする。