通勤の往復時間は読書をして過ごすことが多い。スマホに変えたばかりの一ヶ月位はネットにつないで、色々見たり聴いたりした。けれど、それにも飽きてきて、やはり文庫本を開くほうが増えてきた。
今、まだ着ている冬のコートのポケットは、すっぽりと文庫本が入るから気に入っている。
だいぶ寒さが和らいできたため、ふつうの中のふつうステンカラーコートが欲しい。
今日、さっき読み終わったのはアメリカの作家ポール・オースターの『オラクル・ナイト』という小説である。今回、読んでると時間が飛ぶように過ぎてしまうっていう感じを久しぶりに味わった。
その前に読んでいた『簡素な生活』シャルル・ヴァグネル(は昔の、もとは牧師だったという人、この本も誰かの結婚式でのスピーチに大幅な加筆をして出版されたものらしい)は、とてもいいこと書いてあって、確かに今、現代読んでも古くない、けど、文章が硬くてなんかするする入っていかないから、面白くはなかった。いい人だけどとっつきにくいな、みたいな感じの本。
今日、物語を読み終えて、もしかしたら、翻訳が半分は関係しているのかも知れないと思った。
なぜなら、オラクル・ナイトはするりと入ってきて、頭の中は瞬く間に彼が描く世界でいっぱいになったからだ。物語、物語中物語、たくさんの註釈があって、追いかけにくいかというとそんなことは全然気にならなかったのだが、それは翻訳の柴田元幸の文章がオースターの書きたいように、原文の雰囲気のままに、でも現代語に慣れた人間が読みやすいようにくだいて書いてあるからだと思う。
ということで、オースターの本がもっと読みたい。ということで、早速帰りに書店で『ムーンパレス』を入手できて、ほくほくな気分である。この作家の翻訳、新潮社のは柴田氏のようで、よかった。読みやすくて、あたたかみが伝わってくる文章。
文庫本の装丁も素敵で、嬉しい、でも黒いので手垢が目立つからカバーをしてもらう。
近くの八重洲ブックセンターが3月27日で閉店してしまう。結構会社帰りの人々が立ち寄っているように見えたけれど、立ち読みばかりじゃダメだろうし、とにかくアマ○ン帝国があるとやっぱり厳しいのかな。取り寄せをお願いするしかないかな。
この前は駅のショッピングモールの書店も閉店してしまって、一体何なのだろう。がっかりしてしまう。なくなれば、さらに帝国で買い物することになるのか…。悪循環か。
幻想的な『ご神託の夜』。表紙もそれを感じさせる、ぼんやり写るすれ違いざまの人々。のようなスナップ(に見えた)。
オースターの小説を受けて、というのでもないけれど、なんでもタイミングって大事だなと思って。