部屋の中に一人でいる時

誰の気配もないけれど

やもりが一匹、箱の中の

穴ぐらの中にいて

すやすやとでもいうように

眠っている

やもりは私の声に応えることはない

それでも

おやすみとかおはようと

声をかけるとき

私は一人ではないのである

やもりが夢も見ずに眠るとき

そこに生体反応を感じて

生き物がそこにいるとおもうだけで

その箱は橙色の熱を発している

なんでもないような小さな生き物であれ

そこに何かが息づいていると

思うだけで

ああ、よかったと息を吐くのだ

やもりが私の名前さえわからなくても