花冷え 待って過ごした 残り一駅の時間恐る恐る口にした言葉はメールの文面と地下鉄の音の狭間にいとも簡単に消えてゆきましたいつも一番大事なことを届けられないのでもうそういう巡り逢わせなんだろう と自分の何処かが告げるのをまたも気付いてしまいました道すがら眺めた桜の花は白く冷たく凍るような風に枝先を揺らしていました呼吸に合わせて零れ落ちてしまうのを成す術も無く受け入れるしかないのです