ステラ薫子です。
2日ほど空いてしまいましたが、スペイン旅日記の続きになります。
この旅で私たちの第一の目的地は、巡礼地、サンディアゴ・デ・コンポステーラでした。

スペインのガリシア州にある都市で、エルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地のひとつ。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の終着地でもあります。
私たちはようやくここまで来たと感慨一入。世界遺産のサンディアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂へ向かいました。

8世紀ごろのイベリア半島はイスラムの支配下にありましたがアストリア王国が先頭に立ち、東西に領土を広げていきました。アストリア王国にとり、キリスト教圏を取り戻すことは国土復興のシンボルでもありました。9世紀にキリストの使徒のひとり聖ヤコブ(スペイン名でサンディアゴ)の墓が発見されます。この発見は、キリスト教徒勢力がイベリア半島を制圧する行動のシンボルとなり、聖ヤコブ信仰が高まりを見せました。聖遺骨を納めるために1075年、大きな教会の建築を開始。これがサンディアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂なのです。


その日はまず大聖堂の周囲を見て回るところから観光がスタート。サン・マルティン神学校、キンタナ広場を経て巡礼のスタンプをいただき、外部からゆっくり大聖堂を見つめました。天気もよく、花々が鮮やかに咲いていたのを覚えています。

そしていよいよ大聖堂の内部へ。
壁画から石像まで天使や聖書のストーリーを模したもの、数多くのマークがあり、ひとつひとつにいわれがあります。

このマークは奉献の十字架。1211年、当時の王、アルフォンソ9世が奉献式を行ったときのものです。
まずは付属の博物館へ。何百年の歴史を経ている建物なので、時代によっては自然災害に巻き込まれたり、戦火に襲われたこともありました。破壊されたロマネスク様式のものからゴシック、ルネサンス様式まで貴重な展示品が続きます。宝物殿では金銀で作られた大聖堂の宝、タペストリーや司祭の服まで見どころはたくさんです。


大聖堂の教会部分に入り、主祭壇へ。ぐるりと後ろに回ると聖ヤコブ様の像が。ここで聖なるパワーをいただきます。
 


続いて巡礼者のためのミサに参加。足を運ぶとそこには世界中から訪れた巡礼者の姿が。私も混じってお祈りをさせていただきました。



美しい聖歌、そして荘厳な礼拝堂の中で、気持が穏やかになってゆくのを感じました。恐らく多くの人が世界の平和を祈っていたのだと思います。

ミサの最後には香炉振り。これはこの大聖堂のシンボルのひとつである大きな香炉を聖堂に吊るし、それを投げて浄化するのです。
ものすごいスピードで動く香炉を見つめながら、ミサは終了しました。


サンディアゴ・デ・コンポステーラの話はまだ続きます。