ちゃっぽぉ~ん ────
輝美とッ!!
律子のぉーッ!!
そんなにたくさん特殊能力を持ったキャラクターが出て来るなんて有り得ない……
そんなん言うてたら、いつまでもオモロなられへんで!!私ら。しかも人間しかおらん世界で『時間巻き戻せる』とか、めっちゃズッコいワザ使えるし。
でもね?時間や空間を自由に操れる能力なんて、結構よくあるじゃない。
あー、そない言われたら ──── エッほな何がちゃうんかなあ、敵も何か……それを上回る能力使えるとか?
とどのつまりが物語の主要な登場人物が揃って落ち着く頃には、ただの人間なんてほとんどいなくて
全員が何らかの能力者
なんですよ。そんなの、純正人間のチンピラ系を圧倒するお馴染みのシーンなんてプロローグでササッと殴り書きで終わるようなところじゃないですか。
さすがに殴り書きはないやろーけどさー。ほな何、私らの死事ってそのプロローグがずっと続く ──── みたいなコト?
そういう事になりますかねえ、飽くなきチャレンジで『悪無き平和な世界』を目指す為のプロローグ……とでも言いましょうか。
えらいエエ風に言うてはりますけど、結局そのプロローグがずぅぅぅぅっと続いて……エンディングなんやろ(笑)。
まさか!……エンディングなんてありませんよ。まあ漫画で言うならばターゲット一人につき数ページで1話完結、といったところでしょうかね。『なあ輝美さん、これでまた平和に近づいたんやろか』って ────
えっ、私そんなん言うんや?今まで一回も言うたコトないけど(笑)。
そこらへんはメディア化の際の脚色って事でひとつ♪
メディア化って……あー、せやッ。ほな輝美さんは、どない言うんですか。
ああ私がですか、律子さんの言葉を受けて?
うん♪
何て言ったんですっけ……
何が?
律子さんが。
エぇッ!?やっ、ちょっと待ってよ輝美さんが言うたんやろ?
いやいや、さようなんですがね?もう一度律子さんに情感たっぷりに言って頂ければ『あーそうだったそうだった!』って思い出すかも知れないじゃありませんか!
思い出すって……数分前のコトやのに?
イイからイイからッ、はいホラ行きますよ?よぉぉぉい……
Action!!!!
ェアクシャンッ、て……
(何故か姿勢を正す律子)おっしゃ ──── ほな、行きますよ?『なあ、輝美さん……』
『何ですか?』
『これで……また平和に……近づいたん ──── 』
はいカット!!!!
それは、ちょっと“タメすぎ”ですねえ律子さん。そんなに意識しなくても、普段通りで構わないんですから。
あー、そっか……分かりました(笑)。なあ輝美さん?
ええ。
これでまた、平和に近づいたんやろか……
さあ、どうでしょうねえ ──── 我々が死事をこなしていく事によって、個人レベルでの平和は確実に増えている筈ですが……世界の平和にはまだ程遠いかも知れません。
今考えた?
いやはや、それがですねえ ──── 律子さんの台詞があまりにリアルだったので、思わず本気で答えちゃったんですよ。
えっ、そしたら輝美さんの中で考えてたセリフはまた別に何かあんの?
さようですね、ええ……ホントはもっと悲観的で毒のあるものだったんですが。
聞いていい?
『我々は平和の為に死事をしている訳じゃありませんからね?』
えっ、そうなん?
『怒りですよ。理不尽に罪なき命を奪う奴らに対しての抑えきれない怒りによる短絡的衝動的な行動が……結果的に見知らぬ誰かの人生を救っているだけの事』
ふーん……(と何故か伏し目がちになる律子)
律子さん?
えっ?
あくまでも台詞ですからね?せ・り・ふッ!
ああッ、そっかそっか……やっ、でも ──── そのセリフのほうが、どっちか言うたら“ぽい”やんか?せやから私も錯覚起こしてもたんかも知れん(笑)。
あっ、私と一緒だ!
ねー、錯覚起こすアンドロイドなんかおんねや?
無論、現実世界だったらまず有り得ないんですよ。作る側が“演出”としてそれを組み込まない限りはね?
そしたら何で私が錯覚するんか ──── いうたら『脳ミソ』があるから、やっけ?
電子脳シムユニット ──── その設定上は生体脳に蓄積されたあらゆる機能や記憶を疑似的に再構築したものとは言え、人間の律子さんの脳そのものですからね。
やっ、そもそもDのせいでさぁ~あ?ややこしなったんやろ?
ディレクタ的には未だに若干未練の残る『パラレ律子ホントはサイボーグ説』ですよね。本来は、自身も組織の人間に襲われ瀕死の状態であった人間の律子さんを救う為に脳を取り出して移植する ──── という設定もアリなんじゃないかっていう話なんですが……
それも最近思いついてな?でも結局は電子脳シムのほうで今はとりあえず行ってる感じやねんけど……何でサイボーグやめたんかー言うたら ──── 要は『一人二役』みたいなコトになってまうから、って。人間の律子は脳ミソ取られた段階で死んでるから、私が、そのフリもせなアカンと。ッちゅーコトは、今ここで『ひやあつ』やってるあいだは家には長女がおらん状態になる。それは、ちょっとややこしいんちゃうかってDは思ってるワケやろ?
まさか『タイムリープ』の能力を忘れている訳じゃないですよね?その“行方不明”の時間も、巻き戻せばいくらでも取り繕えるのに……
せやんなあッ?やっ、ゼッタイDさー家族と一緒におるメインになってまうから死事にもなかなか行かれへんし、それよりも『ひやあつ』の時間が取れるんか ──── って、マジになって考えて悩んどったんやってば(笑)。
もうッ……
毎回オープニングで言わなきゃ駄目ですか?『私たちはフィクションです』って。どうぞ、いつだってお好きなように我々を転がしてくれて構わないんですよ?とどのつまり、あなたがディレクタなんだから ──── とか何とか言いながら、今回は諸事情でなかなか文字数が稼げず録れ高を心配していたディレクタも、どうにか2000文字を超えホッとしているところで今日もそろそろ上がりますか?
せやねッ、うん!ハイそしたら今回の『ひやあつ』も、ぼちぼちエンディングの時間です。
ではまた次回明後日、定刻にお目に掛かりとう存じますゆえ本日はこれにて失礼をば ──── といったところでここまでの時間、お相手はワタクシ相馬輝美と……
私・槇野律子でしたッ♪ほな皆さんッ、またねバイバァ~~イッ!!!