次に塗装を剥がしますが、ネックを再接着する前に

やっておけばよかったと後悔しきり…。

この辺りが素人リペアの醍醐味(?)なのですが
まぁ気を取り直して。

今回の塗装剥しでは、もちろん加熱して塗装を柔らかくして

スクレーパーで剥します。

普通のエントリーモデルのGuitarの塗装はポリウレタンか

ポリスチレン系とお決まりですが
このSGは、ラッカー系塗料のようです!

しかもラッカーにしては結構厚い塗装です。

ラッカー塗装の剥しは、ポリ系塗料のように熱を加えて

スクレーパーでパリパリと簡単には剥せません。

熱を加えると柔らかくなって剥がし易くなるのですが
スクレーパーの刃に絡みつくというか、粘っこい感覚で

ポリ塗装のようなパリパリと剥がれる潔さがありません。

最初は何時ものようにアイロンで加熱してたのですが
トップに突板が貼られていることに気付いてアイロンから

ヒートガンに替えました。

アイロンだと加熱面積が大きいので、過熱し過ぎで
突板の接着剤まで溶かしてブリスターが生じてしまう
危険があるからです。

ヒートガンだと部分的に加熱コントロールできるので
良いのですが、作業効率はガタ落ちです。


1時間後でもこの進捗…。


塗装剥しで、いつもこの段階になると思うのですが
こんな酷い状態にしてしまって大丈夫なんだろうかと…。
不安になる一瞬です。

塗装を剥がしてみると、思った通り継接ぎのボディでした。
6ピースくらいかな。

ここまでくると集積材です。

継接ぎボディは、塗装後に暫くすると塗装痩せが起きて
接合部が凹みラインとして出てくるので、それを隠すために
トップとバックに突板が貼られているんですね。

しかし、このSGはトップが結構波打ってたんですよね。

最初は単に継接ぎボディだなと思っていたのですが、塗装を剥がしてみれば突板がある…。
突板が貼ってあれば、継接ぎ個所は上手く隠ぺいできるはずなんですが…。

ボディ材が見えてやっと理由が分かりました。

突板の下は、「ラワン」です。

この材は、「レッドラワン」ですね。

 

飛行機模型なんかに使われる柔らかなラワンがホワイトラワン。
同じラワンでも重くてしっかりした木質のものがレッドラワンです。
レッドラワンと言っても全て赤いわけじゃないです。

ラワンは、加工性はマホガニー並に楽なのですが

狂いが大きいんですね。
 

突板くらいじゃ抑えきれない。

ビザールギターによくあるラワン材なんですが、大体

狂いが出て接合部からパックリ逝っちゃってるか、単板だと

反り返っちゃって歪んでるようなものが多い感じがします。

ラワン材を使って反ったり割れたりしているGuitarを

修復するとなったら木材加工からやり直しになりる

大掛かりな作業になりそうです。

それでも、いつか私もビザールGuitarをリペアする機会に

巡り合いたいものです。

ただ、ただ、苦労を背負いこむようなものかもしれませんが。

このSGは、そこまで狂いが出ているわけではないので

サンディングでフラット出しができそうです。

とりあえず、やっと着色層まで、大雑把ですが剥がし終えました。

 

この後は、サンディングシーラー層を落として木地を出します。