`12年から始め、趣向を変えて今年でついに3回目を迎えました。

 今回は初の宗教曲にも取り組みました。「レクイエム」です。ただし、モーツァルトのではなく、上田益(すすむ)さんの作曲。しかし、この曲は阪神・淡路大震災のあと犠牲者の追悼のために編まれたものです。

 やはり宗教曲は、歌うと敬虔な気持ちになります。

 自分の後ろにいたソプラノのメンバーの声がよく通って、ホールにいるよりも教会にいるようなインスピレーションを感じてしまいました。「永遠の安息を彼らにお与えください」という言葉。これがこの「レクイエム」の柱なのです。先般の東北地方太平洋沖地震で被災した我が街。誰一人として、身近に亡くなった人がいる身分にすれば、むやみに戦争をしたがる風潮に暗澹たる気分になります。誰かを犠牲にして、「安息」などありえないと信じます。





 次は気分を変え、北原白秋の歌を。

 「待ちぼうけ」「ちんちん千鳥」などを披露しました。その中で「ちんちん千鳥」は、みなさんご存知ですか?

 

  ちんちん千鳥の なく夜さは 硝子戸閉めても まだ寒い


  ちんちん千鳥の なく声は 明りを消しても まだ消えぬ


 親亡き子への思いか、聴いているだけでもいたたまれません。


 そして、地元の子どもたちによるステージも。「となりのトトロ」や「天空の城ラピュタ」などを歌い、拍手喝さいでした。自分のお孫さんが出るという方が、席にいっぱいこられた様子でした。最後の部は、いよいよ全員で「ドレミの歌」を振り付け交えて、大合唱!子どもたちは、ソロ(今回初)について元気いっぱいです。本当に、小さい頃が思い出されて、ふと胸が熱くなってしまいました。振り付けは、みなさん恥じらいながらだったようです。最後は「サンライズ・サンセット」(屋根の上のヴァイオリン弾き)で幕。


 今回、心残りだったのは熟成不足だったことです。

 本番は結果オーライという部分もあるけれど、こうしていろんな方に聴いていただき応援者を増やすことが自分たちの励みであるんです。それだけに、もっと真剣になりたかった。

 自分は楽器もやっていますが、最近聞いた話では、大阪桐蔭高校の吹奏楽部は創部3年目で全国大会に行ったそうで、歌ってから曲の練習をするとか。歌ってはじめて楽器もできてくる。もっと歌を大事にやろうと思います。

 また、来月から少しずつ次回への曲の練習も始まります。

 さらに充実したステージを目指して、挑戦です。