http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C9381959FE2E1E2E2EB8DE2E6E2E7E0E2E3E09494E0E2E2E2
米ゼネラル・モーターズ(GM)は中国の自動車供給体制を強化する。内陸部の武漢市に新工場を建設し、これまで沿海部に偏っていた生産拠点を中国全土に広げる。
新工場は年産30万台で、2014年に稼働する計画。
中国で販売シェア首位を握る大量生産効果を生かし、インドや南米への輸出も本格化する。
中国内に米国に匹敵する生産能力を築き、中国を中心とする新興国に経営の軸足を移す。
GMは中国では主に沿海部で販売していた。GMの中国内の車両組み立て工場は6カ所目で、内陸部に建設するのは初めて。
武漢の新工場は長江沿岸に建設、内陸を含む中国全土への供給拠点と位置付ける。
年30万台の生産能力を確保すれば、年60万台の上海工場に次ぐ主力工場となる。
投資額は70億元(約900億円)。小・中型車と多目的スポーツ車(SUV)を生産する。
比較的近郊の上海工場は80%以上の部品を半径200キロメートル以内で調達できる体制を整えており、武漢工場も上海工場が取引する部品メーカーを積極的に採用し、調達コスト削減につなげるとみられる。
GMの11年の中国販売は250万台強で、独フォルクスワーゲン(VW、226万台)を上回り首位。
15年までに500万台に倍増させる計画で、手薄だった内陸市場の開拓を強化する。
他の既存工場も拡張し、大半を中国内で賄う体制とする見通し。増産に合わせて手薄な内陸の販売網強化を図る。
中国内店舗数は年内に2割増の3500店まで拡充する見通し。
VWも新疆ウイグル自治区に年5万台の工場を新設し、内陸部の市場開拓を加速する方針。
日本勢では中国市場で先行する日産自動車が遼寧省大連市に年20万台の新工場を建設する計画。
GMとVWの2強を追うが、15年の生産能力は200万台超にとどまる。
GMは中国で大衆車「シボレー」、高級な「ビュイック」と「キャデラック」の主要3ブランドを展開。
低価格ブランド「宝駿」でも本格攻勢をかける。2拠点で内陸部で需要が高い商用車も作る体制を生かし、日産などを突き放す構え。
さらに中国に集積する生産能力を利用し、周辺の新興国へも拡販する。
広西チワン族自治区柳州市などで生産する「五菱通用(GM)」ブランドの商用バンのノックダウン(KD)輸出を本格化する。
今年中にインド、エジプト、コロンビア、チリに組み立て拠点を設置して販売に乗り出す。
中国で開発した小型車「セイル」の輸出も強化する。
輸出台数計画は明かしていないが、11年の4万8000台から「大幅に引き上げる」(GM中国のケビン・ウエール社長)考えだ。
中国の11年の新車販売台数(中国国内生産分、工場出荷ベース、商用車、輸出を含む)は前年比2.5%増の約1851万台で、13年ぶりの低成長となった。ただ今後も安定的な成長が続くと見て、中国を米国に次ぐ一大生産拠点に育てる。