自分の機嫌は自分で取る
私は今、朝塾をしています。
平日、朝7時から8時、学校に行く前の1時間。
来ているのは中学3年生です。
受験前ということもあって、朝の教室はなかなかに正直です。
眠たそうな子、ちょっと不機嫌な子、「正直きつい…」という顔の子もいます。
まあ、そうなりますよね。
朝早いですし、受験のプレッシャーもあります。
機嫌がいい日ばかりなわけがありません。
朝塾では英語を中心にやっています。
英単語のテスト、基本文の確認、長文読解。
どれも点数につながる、大事な勉強です。
でも、私が本当に大事にしているのは、実はそこではありません。
それは、目に見えない成績です。
つまり、心のあり方。
私が朝塾で一番伝えたいことは、とてもシンプルです。
自分の機嫌は、自分で取る。
人に取ってもらおうとしない。
多くの人は、機嫌って勝手に決まるものだと思っています。良いことがあれば機嫌は良くなるし、嫌なことがあれば機嫌は悪くなる。
仕方がない、そう考えがちです。
でも、本当はそうじゃない。
同じ出来事があっても、どう受け取るか、どんな機嫌でいるかは、自分で決めています。
もちろん、人間ですから不機嫌になる日もあります。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、問題なのは、不機嫌な態度を使って周りを動かそうとするときです。
機嫌が悪そうにしていると、周囲は気を使ってくれます。言葉を選んでくれたり、配慮してくれたりする。
それが続くと、「不機嫌でいた方が楽だな」と思ってしまうこともある。
でも、そのやり方を続けていると、少しずつ信用を失っていきます。
周りの人はちゃんと見ていますし、覚えています。
「あの人、すぐ機嫌悪くなるよね」
そんな評価は、静かに積み重なっていきます。
だからこそ、不機嫌なときほど思い出してほしい。
自分の機嫌は、自分で取るものだということを。
朝の教室で、生徒たちのいろいろな表情を見ながら、私はよく思います。今はピンと来なくても、いつかきっと分かる日が来る、と。
点数よりも大事な力がある。
それは、自分の機嫌を自分で引き受ける力です。
自分の機嫌は自分で取る。
人に取ってもらおうとしない。
あなたは今、自分の機嫌を誰かに預けてしまっていないでしょうか。
