【自分の感受性くらい】

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにするな

みずから水やりを怠っておいて

 

 

気難しくなってきたのを

友人のせいにするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

 

 

苛立つのを

近親のせいにするな

なにもかも下手だったのはわたくし

 

 

初心消えかかるのを

暮らしのせいにするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 

 

駄目なことの一切を

時代のせいにするな

わずかに光る尊厳の放棄

 

 

自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ

 

 

私がこの詩に出会えたのは、

学校説明会に参加した、私立高校の図書館でした。

 

先に、本のコメントを読んでからこの詩を知りました。

 

「おもに、ものを書く人が自戒を込めて、また自身を鼓舞するために時折引用しているのを拝見する、茨木のり子女史の詩。」

 

だそうです。

 

ツラい時、

 

迷ったとき、

 

弱った自分が再び前に進んで歩んでいこうと、

 

自分自身を奮い立たせるとき、

 

この詩を想い出したいと思いました。

(プリントアウトして手帳に貼りました♪)

 

最後の

「ばかものよ」(これがいい!!)

ガツンときますね。

 

わかなべ