性病検査マスターのランドリーです。
今日は先月、当院に20代の妊婦さんが青白い顔で、
駆け込んできたケースのお話をします。
お話を伺うと、
「妊娠したばかりで、産婦人科でHIV抗体の即日検査を受けたら、
陽性反応が出たとのことです」
産婦人科の医師は「判断がつかない」とのことで、
他の性病専門病院でもう一度確認してくださいと簡単に言われたそうです

こういったケースは時々あるんです。
当院の医師が問診した結果、おそらく偽陽性ではないかという
見解でした。
まず即日の抗原抗体検査と確認検査をすることになりました。
※第4世代と呼ばれる検査です。
即日検査の結果、陰性で問題ありませんでした。
ただ念のためHIV専門機関に確認検査をしてもらうよう
手配しました。
偽陽性とは、感染していないのに、HIV抗体の交差反応により
(HIV抗原とたまたま反応する抗体による反応のこと)、
まれにHIV抗体の即日検査が陽性となる場合があります。
これを偽陽性と呼びます。
原因は明らかなことに関しては不明な点が多いですが、
考えられる可能性としては、他のウイルス感染(EBウイルス等)に感染した、
または感染症の予防ワクチン接種した後、自己免疫疾患、
脂肪血症、アレルギー体質、妊娠など様々な推測があります。
このように即日の抗体検査は、判定ラインを肉眼で観察することから、
医師の主観が入りやすく、陽性と判断してしまう場合もあります。
イメージ図は下記です。

本来なら即日検査で陽性が出た場合、
確認検査の手配をするのが基本なのですが、
産婦人科ですと、その知識が足りない医師もいるとのことです。
確認検査には様々な検査方法(WB法、PA法、PCR法など)で
時間をかけて検査するため、より正確な検査結果が出ます。
そういった判断、また患者さん不安を最小限にしてもらうよう
丁寧に説明できるかどうかで、良い医師(病院)かどうか
決める一つの判断基準になるのではないでしょうか。
冒頭の妊婦さんは確認検査は陰性でした。
本当に良かったです
