とは言え、最近のSIDやSTARはRNAV運航なので、1マイル以下のずれしか許されないので、フラップを収納したタイミングで、オートパイロットをONにする。
『オーパイON スピード、LNAV、VNAVパス』と現在のモードを確認し合う。
この頃になると、ショルダーハーネスを外して、少しリラックスする。
しかし、計器や外部の監視は、いつどんな時でも怠ることはない。
私はと言うと、Take Off時の様子や、感じた事、残燃料等を自前のシートに書き込んでいる。
重心に近い客席では、全く揺れを感じなくても、コックピットでは小刻みに揺れている事が多い。その為、上手く書き込めず、左手で書いた様な字になってしまうので、最低、後で読んで理解出来る程度には書かなければ意味がないので気を使う。
『ポーン』しばらくして、客席のシートベルトサインを消す。この先も揺れは無いと判断したのだろう。
飛行機の運航には、必ず「根拠」が必要だ。シートベルトサインをとっても、何故揺れないと判断したのかが重要なのである。
今日の場合、既に逆方向に飛んで来ているのと、他社の揺れの情報も無い、ジェット気流の位置も近くは無い等の根拠から、シートベルトサインを消したと思われる。
仮に、CopさんがPFでも、私がCapだったとしても同じ判断をしたと思う。
客席では飲み物のサービスが始まっているのだろう。リラックスした雰囲気がコックピットにも伝わってくる。
水平飛行になる頃になると、少し時間が出来るので私語も許される。
規定上、私語が禁止されているのは、『クリティカルフェイズ』と言われる、離陸の10分後まで、着陸の10分前からである。
この間は、私達も、運航上どうしても必要な無線以外は禁止になるし、私達に対しても、無駄な話をしてはならない事になっている。
運航関係者全体の『クリティカルフェイズ』なのだ。
前の二人は、『今日のチーパーさんが・・・』と話しているが、私はそれどころではない。
揺れの程度や残燃料、Capが細かく調整する、スピード等を、必死にメモを取る。
これを怠ると、後から提出するレポートが難しくなるので必死である。
やたら喉が乾くが、機内は湿度が0%なので仕方ない。
お茶を飲んではメモを取る、Cap達と言葉を交わしては、お茶を飲み、またメモを取るの繰り返しになる。
しばらくすると、チーパーさんから連絡が入り、キャプテンアナウンスをリクエストしてくる。
Capは『了解』と答えて、内容を確認している。横のCopは、『俺に回ってくるなyよ』とでも言いたげな表情をしている。
*他にも、『元飛行機関係者のしょうもない話』を書いていますので、よろしければご覧下さい。(station-control)です。