セコンドに徹すると決心して診察へ行きました。

 

そこでは予想通り、積極的に増薬したい夫と様子を見ながら抗がん剤を増やしたいドクターEとの熾烈な戦いがありました。

当然ですが、ドクターEの圧勝です。患者の言いなりになってては医者は務まりませんもんね。夫は苦々しくもこの現実を受け入れています。

が、次回の分子標的治療は全量(前回は半量)、抗がん剤は一日4錠に増薬する予定になりました。

 

今回、セコンドの出番はありませんでした。

と言うのも、ドクターEは、パンチをどんどん打ち出す夫に対して(こういうのを無駄打ちと言うのだよ、と思って見てましたが)感情的にならず、「ちょっと待って」「一つ前の質問に戻りましょう」のフレーズを繰り返し使いながら、抗がん剤はがん細胞を殺すけれど、正常な細胞も殺すし、副作用も強いし、急に増薬すると副作用が酷いけれど、徐々に増やして行けば、体が慣れて耐えられることが多いのです、と説明してくれました。

 

そして、がん治療は標準治療がエビデンスに基づいて確立されているので、どこで治療を受けても同じ治療なんですよ、つまりメイヨークリニックがなんぼものもんじゃいとは流石に言われませんでしたけど、メイヨークリニックが言ってるからと、目の前の患者の状態を無視して増薬することは私はしませんよ、それが私の方針ですと宣言されました。

 

いやいや、私はこの神対応に惚れましたよ。私の治療方針に不満があるなら他の腫瘍内科医のところに行ってしまえー、メイヨーでも冥土でもどこでも好きなところに行ってしまえー、と私だったらキレてたかも。夫を見捨てずに、夫のQOLに配慮してくれて本当に有り難いです。