あれは2週間前のことだろうか。
浅草の某所で徹夜の映画鑑賞会をした朝のこと。
僕は家主のAKBファン女子に総選挙を一緒に観戦する約束を果たしたのち彼女にこう言い放った。
「さっしーが1位になるから!」
フンっ。と鼻糞でも飛ばしたかのように、まさに鼻で笑われてしまった。彼女はぱるるのことしか興味がないようだ。
僕は心の弱さから、そこで指原が1位になる理由を述べることができなかった。家についたのち、僕はその悔しさをWebの虚空(Twitter)に向かって叫んだ。
「今にみておれ!本番が楽しみじゃわい!」
...ああ、なんというヘタレだろうか。
推しメンとヲタはこんなこところでも共鳴するのだ。
それでも僕は今回の総選挙で指原が1位になることを信じて疑わなかった。確信はいつも根拠のないもの。僕はなんの数字(データ)も頭に去来することなく、ひたすらさっしーの1位を妄想確信した。
指原莉乃が1位にならなければAKBは終わる!!!!
とまで思いつめた。
だって、そうでしょ。
大島優子が連覇?まゆゆで世代交代?ぱるるや珠理奈があっちゃんの意志を継ぐ?
...ああ、どれもこれもまったくつまらない。
予定調和も甚だしい。
なんのサプライズもないではないか。
これではAKBGはスキャンダルと人事というファンから最も遠いところでしかサプライズの起こらないクソ集団化してしまう。
唯一、ファンの手で情勢が変えられる選挙がこのまま停滞して良いはずはない。しかも、運営は何を考えたのかAKBの卒業メンバーにまで立候補の門戸を開く始末。
そうか。僕はここで確信した。
AKBの無意識の欲望は変化を望んでいない、 と。
いつまでも過去の栄光、すなわち前田敦子という物語の鎖に繋がれていたいのだ。思えば次世代エースとして運営から推されてきた島崎遥香に運営もメンもファンも、前田敦子を投影させてきた。AKB内の世代交代というアングルも所詮は前田敦子の物語を踏襲するものでしかない。
AKBはもう自浄作用をなくし、このまま衰退するしかないのか...!
ところが、そこは策士・秋元康である。
前田敦子卒業前に彼は一匹の狼を野に放った。
それが指原莉乃である。
(今から思えばこれは本当に奇跡的采配だった)
へたれキャラから総選挙4位まで昇りつめたものの、文春砲で失速。ところが、“左遷”された弱小HKT48を牽引。指原移籍後のHKT人気は急上昇し、彼女も今やHKT劇場支配人かつSKE松村香織のプロデューサーである。
従来のアイドル像(それは革命的なAKB内の中でも異色)を塗り替える道なき道を歩んできた指原莉乃だからこそ感動できるセンターヒストリーがそこにあるのではないか?大島優子から1位を奪取し彼女がセンターに立ったときAKB第2章が幕を開ける!
HKT劇場支配人、SKE松村香織プロデューサー...そしてAKBセンターに...!AKBGはさしこの独裁体制になる!祭りじゃぁぁぁぁ....!!!!
と僕は妄想逞しく吠えていたわけである。
(つづく)