竹内結子さんがお亡くなりになりました。自殺とみられているそうです。


 育児うつだったかどうかはハッキリしていませんが、最近発売された雑誌『LEE』10月号のインタビューでは、竹内さんが子育てについて次のように語っていたと報道されていました(https://news.yahoo.co.jp/articles/eb29675086928d066a7cd291fbc8597d62713add)。

(2人目だったので大変さは)分かっていたつもりでしたが、眠れないし、もらった風邪はなおらないし……。赤ちゃんのお世話は本当に大変ですね。育児の常識も長男の時とは変わっていることが多くて、育児雑誌で離乳食について調べたりしています」


 私は数日前、コロナ禍の休校で子供の世話をしたのは「全て母親」が半数以上、「89割母親」まで含めると8割に上ったという報道(NHK)を目にしました。未だに「子育ては母親」という考えがある表れでしょう。
 因みに昨年度の父親の育児休暇取得率は7.48%だったそうです。9割以上がワンオペ育児をしているという実態を今一度考え直すべきだと思います。そもそも人間には、地域社会の繋がりの中で子育てをする「共同養育」(本ブログ記事「出産するとなぜイライラする?〜「共同養育」という本能に逆らう現代人〜」参照)という本能があるそうです。本能に反する行為をしていれば人間が壊れるのは当たり前です。精神科医の岡田尊司氏は「歴史的に見れば核家族や専業主婦と言うものは異常な子育ての形態」と指摘しています。我が家だけで独立して子育てをするという現在の核家族形態が当たり前と思っていると、母親にそれほど負担をかけているとは思わないので、父親は育児休暇を取ろうとは思わないのかもしれません。
 父親に今すぐに出来ることは、相手に安心感を与えるうえで最も効果があるとされるハグや手を握る等の「スキンシップ」。努めて毎日続けて母親を支えてほしいと思います。もちろん家事も。

 因みに、本ブログ記事《あまりにも過酷な「ワンオペ育児ママ」〜次世代には同じ苦しみをさせないように、一刻も早く…!〜》では、公務員として働き、余りにも過酷なワンオペ育児を経験した30代女性の様子を以下のように紹介しています。
《麻美さん(仮名)は毎朝5時ごろ、寝不足状態で起きます。1歳の息子が寝ている間に洗顔や仕事の準備を済ませます。息子が目を覚ましたら、自分のことはすべて後回しに。朝食を作って食べさせ、オムツを替えて体温を測り、着替えさせます。
 息子が何かを誤飲したり、落下したりしないよう、常に視界に入れながら、なんとか化粧や身支度もします。その間トイレにすら行けません。
 麻美さんは、仕事の段取りを考えつつ書類をそろえ、同時に息子の着替えやオムツ、連絡帳を登園バッグに入れて、ベビーカーを押して家を出ます。必要な持ち物が多すぎて、忘れ物に気づき、遅刻ぎりぎりで引き返すことも日常茶飯事です。
 保育園に着いたら、猛スピードで着替えをセットし、泣く息子をなだめ、駅まで汗だくでダッシュ。通勤ラッシュにもまれ、会社に向かいます。会社に着くと同僚が「服、裏表ですよ」と一言。ワンオペ育児を始めてから、髪も服装もボロボロです。
 麻美さんは午後6時に会社を出て、急いで保育園に向かいます。仕事ですでにヘトヘトですが、テレビに子守をさせつつ夕食を作り、風呂に入れて寝かしつけ、洗濯、翌日の仕事の準備を深夜までこなします。
 子どもは保育園の集団生活で頻繁に病気をもらってきます。麻美さんが息子から風邪をうつされ、40度の高熱が出ても、横になることはできません。もうろうとしながらご飯を食べさせ、寝かしつけます。
 息子が夜中に目を覚まし、夕方食べさせたおかゆを布団の上で吐き出しました。両手でとっさに受け止めたものの、大泣きする息子から離れて始末しに行くこともできず、そのまま吐いたものにまみれ、麻美さんも一緒に泣きました。誰も助けてくれないワンオペ育児は、孤独です》

 果たして、世の父親は母親がこういう生活を送っていることを知っているでしょうか?そして、こういう育児ができるでしょうか?
 1日も早く母親がたった1人で育児にあたるという異常さに気がついてほしいと思います。