【今回の記事】

【記事の概要】

 長年、藤井二冠を見守ってきた杉本師匠が明かす「天才の育て方」とは。(以下杉本師匠談)

基本は、やりたいことをやらせること。私の一門の場合は、あまりかっちりしていなくて、集まる設定はしますが、勉強時間も休憩時間も自主的に決めてやっていましたね」

得てして才能があったり、有望な少年を見た時に周りの大人が入れ込みすぎることが多い。少し頑張ればわかる問題集、手の届くところに目標を設定してあげるというのが継続しやすい。厳しさではなく楽しさを教えるほうが大事」

「選んだ手は本(定石本)に書いてあるのと全く変わらないんですけれども、やはり自分で考えて見つけ出すことに大きな意味があるので、本で読んで知ってることと、自分で結論付けたものは全く自分に残るものが違いますから、そういう意味でそのあたりの学び方は、今にして思えば理想的だったなと」

「それと、育てようと思わないほうが良い

この言葉に隠された深い意味とは。以下は8年前、藤井二冠を弟子にと母親にお願いされた際のエピソード。

「地元のコメダ珈琲に行きましてお願いされたんですね。聡太少年は4年生でしたから、クリームソーダを頼んでいた。それをつついて沈めようとしていて、お母さんが注意しようとしていた時に、私が言いますからと。『藤井君これはあふれちゃうよと。まずは下のソーダを飲むか、上のクリームを食べてから沈めたほうが良いよ』と指導した覚えがありまして、場の空気をやわらげたかったんですね。(でも)その時彼がニコリともしなかったのを覚えています。おそらくこの子はあまり指導することは多くないだろうとその時は思いましたし、草とか花とか光のある方に伸びますよね。もともと伸びたい方があってその光を遮らない方が大事なんじゃないかと思うんですね」


【感想】

 杉本師匠が明かす「天才の育て方」のポイントは以下の通りでした。

①「基本は、やりたいことをやらせること」

②「得てして才能があったり、有望な少年を見た時に周りの大人が入れ込みすぎることが多い」

③「自分で考えて見つけ出すことに大きな意味がある」

④「育てようと思わないほうが良い」

⑤「もともと伸びたい方があってその光を遮らない方が大事なんじゃないか」


 これらの事から分かることは、次の事柄です。

①→子どもに任せてやらせる

②④⑤→大人が干渉しない

③→子どもに自分で考えさせる


 これらの働きは一言で言うと「親が口出しせず子どもに任せて見守る」ということになります。


 あれ?これはもしや…見守り4支援」(本ブログ独自)の「子どもに任せて、見守り、(SOSがあった時は)諭して、褒める」と同じ!つまり「父性」の働きです。


「史上最年少二冠達成」という結果がついているので「天才の育て方」と騒がれてしまうのだと思いますが、その内実は、本来父親が果たす役割と同じものでした。

 もしかしたら他の子ども達も適切な「見守り4支援」で対応し続けたら、もっとその子ならではの力を発揮しているのかも知れません。私達は子ども本来の力を潰しているかも知れないですね😅