現在、ダイジェスト記事(本ブログ主要内容のダイジェスト版)のリフォーム中ですが、昨日、日本一分かりやすい(と個人的に思っている)報道番組「ひるおび!」(TBS)で、大阪の小学6年女児誘拐事件について、とても詳しく特集していたのでご紹介します。



   まず、伊藤容疑者はTwitterで女児に接触していたとのことでした。一般の目にはふれずに相手とメッセージをやりとりするDM(ダイレクトメッセージ)機能を使ったと報道されています(下記画像の赤マーク箇所)。



   また、番組で紹介されたデータによれば、犯罪被害に遭う児童数が多いSNSとして上位に挙げられたのがTwitterで38%、「ひま部」と呼ばれる学生限定のSNSサイトで10%(悪用されるケースが多いため今年でサービス終了)、さらにLINEで6%だったそうです。
   この他にも、子ども達がオンラインゲームで同年代の人間と楽しい時間を過ごした際のことを考えれば、相手が歳の離れた男性だったという今回の事例よりも、遥かに心の距離感が縮まるはずです。場合によっては、同じ年頃の子どもだと思っていたその相手が、実は子どもになりすました大人である危険性も十分にあり得ることです。

   更に、SNSを介する犯罪から子どもを守るための方法として紹介されたのは以下の事柄です。
・子どものスマホには有害サイトを制限するフィルタリングを設定すること(親が詳しくない場合はショップ店員に聞けば分かると思います)。
・自分の氏名住所電話番号などの個人情報を書き込まないこと
制服体操着などの画像を投稿しないこと
・「家出」「泊めて欲しい」「助けて」「死にたい」などのメッセージを発信しないようにすること
   ある別報道によれば、ネットユーザーとの出会いを求める子ども達は、これらの情報にわざわざ「#」を付けて、できるだけ多くの閲覧者が検索できるようにしているそうです。

   また、この女児は「家も学校も嫌い」と漏らしていたそうです。

   更に別報道によれば、伊藤容疑者は「(SNSで助けを求めていた子を助けてあげた。正しいことをした」と供述していたとのことでした。


   では、家や学校から逃れ、SNSでSOSを発信したこの女児だけが特別だったのでしょうか?


   因みに、2017年のあるデータによれば、SNS上での相手に対して「会ったことがある」「会いたい」と答えた割合は、小学女子は56%、中学女児が33%、高校女子に至っては何と68%にも及んでいたのだそうです。

   更に、ある衝撃的なデータが紹介されました。それは、「実際に被害を受けた相手に会った理由」として、「金品目的」(29.6%)、「交遊目的」(17.0%)が挙げられていた中で、「優しかったから・相談に乗ってくれたから」が22.9%に及んでいた

というのです。


   これらのことから分かることは、

今回の事件は、女児の心の寂しさにつけ込んだ事件だった

この女児だけが特別なのではなく、どの子どもの心にも同様の危険が潜んでいる

ということです。


   なお、この番組の中で、専門家は次のように述べていました。

「この手の犯罪に巻き込まれる子どもは、学校でいじめられているとか、友達があまりいないなど、孤独”な子どもが多い。そういう状況の中で、突如SNSで優しい言葉を語りかけられると、気持ちがそちらに傾いてしまう

   そのような「孤独」から子どもを誰よりも親身に、且つ確実に守ることができるのは、他でもない、親なのだと思います。

   

   さて、今回の事件を受けて、「これからは何でも話してね」等と子どもに言う親御さんは多いとは思います。ただ、そのセリフを毎日言い続けることは難しいと思われます。

   重要なのは、親が仕事で忙しく子どもと接する時間がなかなか取れない中で、普段からどのように接して、子どもを先の「孤独」から守っていくか、ということだと思います。

   その点については、私は返す返すも、心がけ次第でいつでも誰でも実践でき、子どもを愛着(愛の絆)で繋ぎ留めることが可能な“母性”の働きである「安心7支援」のような接し方が必要ではないかと思います。


   また、今回の女児が小学6年生という思春期の始まり頃でもあることから「親を疎ましく思う時期だったのではないか?」という指摘もあるようです。確かに、それまでの“親主導”方針では子どもは親に反発してしまうでしょうから、その時期になれば今度は、子どもの自立を促す“父性”の働きである「見守り4支援」で接する方が望ましいと思います。しかし、それでも、子どもを“見放す”ではなく“見守る”のです。