先日、以下の記事を投稿しました。
   その中で、そのお母さんがかけた次の言葉は、
他のお客さんが通るから、どけようね。
でした。更に次のようにお話ししました。
「子供との『愛着(愛の絆)』を形成するための愛情行為として「愛着7」を提起していますが、その中に、『子供に穏やかな口調で話しかける』という愛情行為があります。そのお母さんがかけた言葉こそが正に、この『穏やかな口調』に当たります。因みに、この『…しようね』という言葉は、子どもを注意するときの穏やかな口調として、とても望ましいのではないかなと思います。もっと“厳しい言葉”を使うのは、一度言葉をかけても行動を直さなかった時で決して遅くはないと思います。」

    実はこの記事を投稿した後に、更に一年前に投稿した以下の記事を思い出しました。
この記事は、先の記事の“補足”となるもので、今回で「注意の仕方」をまとめたいと思います。

    以下は、上記記事からの抜粋です。
「下の画像はある食品会社のCMの一場面ですが、このお母さんは子供に何と言っているでしょうか?3択です。
A『美味しいね』
B『今日はお手伝いがんばったわね』
C『ほら、お箸の持ち方直そうね』


答えは『C』です。『A』と『B』は、子供の気持ちを“受け止める”場面。『C』だけが子供に“指導する”場面です。指導するのに微笑むの?』と首をかしげる方もいらっしゃるかも知れませんが、私の経験上、一度目の注意の仕方は、このように“微笑んで諭す”言い方の方が、子供が素直に注意を受け入れる上で最も効果的だと確信しています。特に“感覚過敏”な発達障害の子供には有効です。一度言って直そうとしない時は、“真剣な表情”に変えて『もう一度言うよ。お箸の持ち方直そうね。』と言えば殆どの場合直します。“怖い顔”をして叱るのは、それでも直そうとしない時で全く遅くありません。」

    以上をまとめると、
①一度目の注意は…
言葉は…しようね
言い方は「微笑んで諭す」
②一度目で直らない時は…
“真剣な表情”に変えて『もう一度言うよ。お箸の持ち方直そうね。』等と毅然とした言い方で伝える
③それでも直らない時は…
敢えて“怖い顔”をして、「何回言われたら直すの?!」と厳しく叱る。

    更に、この順番と言い方いつも同じにすることが大切です。そうすれば、「一度目、遅くても二度目に直せば怒られない」と分かるので必ず行動を改めます。子どもは一人の例外なく「怒られたくない」のです。
    一方で、いきなり二度目で厳しく叱ったり、三度目でも叱らなかったりと、親の気分で叱り方が変わってしまうと、子どもは「一度目、二度目に直せば怒られない」という見通しが崩れてしまうので、行動を直そうという意欲が湧かなくなるのです。

    更に、特に、子どもを「愛着」不全にしない注意の仕方として、やはり以前に以下の記事を投稿していました。
ここでの注意の仕方(「注意A」とする)は、「これだけは守ってほしい」という親としての願い”が詰まった特別な基準に関わる場合です。
    これに対して、先の「まとめ」での注意の仕方(「注意B」とする)は、基準を予告していないそれ以外の場合と、分けて考えていただければと思います。

    さて、この中では、次のように紹介していました(「注意A」)。
①どんな時に叱るか、基準をはっきりさせる
(「人に迷惑をかけた時」や「嘘をついた時」等、“親の願い”がこもる内容となるが、子どもにとって無理のある基準は避ける。)
②その基準を子どもに予告しておく
③子どもが基準を破った時には必ず約束通り叱る(暴力や罰は使わず言葉で叱る。親子の絆を崩すような激しい叱り方ではなく、真剣な表情で毅然とした言い方で叱る。)
④子どもが改めることができたら必ず褒める

    なお、この「注意A」の「③子どもが基準を破った時には必ず約束通り叱る」での叱り方は、「注意B」での「②一度目で直らない時」の「真剣な表情”に変えて毅然とした言い方」と同程度がいい思います。「注意A」で、いきなり「注意B」の「②」レベルで注意するのは、基準を予告してある分の厳しさと考えていただければいいと思います。親の笑顔が消えることは、子どもにとっては十分辛いことなのです。