親子のふれあいの“質”を高める
「子どもとのふれ合いは大切」、多くの親御さんはそうお考えだと思います。しかし、時間に追われる毎日の中では、思ったようにその時間がとれないことが多いもの。特に、お勤めをされているお母さん方は、なかなか子供と触れ合う時間がとれないことでしょう。しかし、触れ合う“量”が足りないなら、“質”を高めて親子間の「愛着(愛の絆)」を強くしていけばいいのです。

「安心7支援」の愛情行為ができるだけ多く含まれる活動は?
   本サイトでは、「愛着(愛の絆)」を形成するための愛情行為として、以下の「安心7支援」を提案しています。
日頃から子どもとスキンシップを図る
子どもに声をかけられた時には子どもを見る
子どもを見る時には子どもに微笑む
子どもに指示や注意をする時には子どもに穏やかな口調で話しかける
子どもから話しかけてきた時には子どもの話をうなずきながら聞く
子どもの中にある良さを探して褒める
以上の中からできそうなものを選んで、いつも心がける
(乳幼児期に十分愛着を形成できなかった場合でも、上記の実践によって愛着を修復することが出来ます。)

 この「安心7支援」は日常生活の様々な場面で実践することができます。最も日常的に実践できる愛情行為は、「子どもを見て微笑む」だと思います。また、抱っこやハグのような「スキンシップ」は、実践できる場面はなかなかありませんが、「愛着」を形成するうえでは最も効果的な行為です。それ以外の行為についても、場面によって実践できるものとできないものとがあります。ちなみに、①〜⑥の愛情行為が一度にできるのは、外で子どもと遊んだり、アウトドア的な活動で子供と楽しく過ごしたりすることですが、忙しい日常生活の中では、なかなか外に出て遊ぶ機会は持てません。
 しかし、工夫次第では、家の中でも短時間で①〜⑥の愛情行為が一度に出来る交流の仕方もあります。これは、既成の遊び方でなくても、「安心7支援」の愛情行為ができるだけ多く含まれているものであればいいのです。

「安心7支援」が一度にたくさんできる「ジャンケンコチョコチョ抱っこ」
   さて私は、それらを考慮した時に、抱っこやハグより更に愛着形成の効果が高い遊び方の一つとして、「ジャンケンコチョコチョ抱っこ」なる遊びを考えてみました。対象年齢は小学校6年生くらいまでなら可能だと思います。
   まず、お母さんが椅子やソファなどに腰を下ろし、子供をお母さんの太ももの上に乗せて、子供とぎりぎりジャンケンができるくらいの距離を保って向かい合います。かなり近い距離でのジャンケンになりますが、その至近距離にお母さんの目や顔があるのです。「安心7支援」の愛情行為を考えれば、親子の「愛着(愛の絆)」作りには持ってこいの状況だと思います。その後、ジャンケンをします。勝った方が負けた方の体を510秒間コチョコチョくすぐります。その後またジャンケンをして、また勝った方が相手をくすぐります。これの繰り返しです。
   これなら、最も効果のある「スキンシップ」はもちろんのこと、「見て微笑む」「楽しい会話(「うわあ、そこはゆるして~」等)」「褒める(「ジャンケン強いね!」等)」等の愛着形成のための複数の愛情行為が一度に実践可能です。ジャンケンは連続で行うので、所要時間も5分程度で十分楽しめるのではないかと思います。

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   なお、この遊びは毎日行います。そうすることで、気持ちが不安定になりがちなお子さんも、「今夜もお母さんと楽しいジャンケンができる。」と“楽しみの見通しを持つことができます。例えば、自分に弟や妹が生まれたというような子どもにも寂しい思いをさせないで済むのではないでしょうか。更に、このように親子の距離が急速に縮まることで、普段はなかなか話せないでいることも話しやすくなると思います。そこから、思わぬ子どもの悩みを聞ける場合もあるかも知れません。(「子どもとの『愛着』の欠如が『いじめ』問題を生む」参照)

バリエーションは様々
  
また、ジャンケンには
いろいろな種類があります。日によってバージョンを変えて楽しんでみてはいかがでしょう?もちろん、皆さんオリジナルの効果的な活動を考えていただいても結構です。要は、「安心7支援」の愛情行為がたくさん含まれていればいいのです。