あるネットニュースで「『ごめんなさい』が素直に言えない子が言えるようにするにはどうすればいい?」という記事が紹介されていました。
その中では、以下の点についての指摘がありました。
◯親もきちんと謝っていますか?
◯親子間の「ごめんなさい」をうやむやにしていませんか?
◯悪かった「こと」だけを叱っていますか?
◯なぜ謝るのかを伝えていますか?
◯「ごめんなさい」と言わせることが目的になっていませんか? どれも的を得ていることばかりですね。ぜひご参照ください。
私の経験上、特にお勧めなのは、「“共感”から始める」です。“注意”から始めると、子供は心を閉ざしてしまい、大人の言葉を受け付けません。しかし、
①子供の言い分を穏やかに聞く
「(穏やかな聞き方で)どうしてああいう事をしたの?」“険しい表情”で聞くと子供は心を閉ざします。
②聞いた話に共感する
「そうか、あなたは……がしたかったんだね」
と、始めると、嘘のように子供は素直になります。
そして、①、②の後に
③行動の是非について考えさせる
「(優しく諭す言い方で)でもね、あなたがした事は良いことだった?良くない事だった?」
こう聞くと子供は大抵素直に認めます。
④迷惑をかけた人に謝らせる
「◯◯ちゃんに悪いことしちゃったね。『ごめんなさい』を言える?」大抵「うん」と言います。
「きちんと謝れるかな?お母さん見てるから、『ごめんなさい』しておいで」大抵素直に言えます。
⑤素直に謝れたことを褒める
「きちんと謝ることができたね!」この“ほめ言葉”で「人にきちんとあやまることはいいことだ」と言う記憶が残ります。
「叱る」というよりも「反省に導く」というイメージのこの方法。子供は「自分の気持ちを聞いてくれる」と思い、心を開くのです。この指導をすると、親子の「愛着(愛の絆)」が強まりますし、指導する大人にもストレスがたまりません。何よりも、こういう指導を受けた子供は心から反省するので、心の成長に直結します。
なお、この指導の元になっているのは、中京大学で退官された鯨岡峻先生の以下の助言です。
また、大人の“言い方”も重要です。以下をご参照ください。
なお、世の中には素直に謝罪出来ずに、どんどん周囲からの信頼を失ってしまう大人がとても多いように感じます。その一方で、先の日大アメフト部問題で、悪質タックルを行った日大当該選手のように、誠実に謝罪をできる人間は、(報道されているように)被害者との間に心をつなぐことができるのです。
改めて、最も大切なソーシャルスキルは「ありがとう」と「ごめんなさい」だと痛感しています。