今回の記事】

http://www.dailyshincho.jp/article/2016/01110659/?all=1


【感想】
   世の中には、この記事のように「ほめると子どもはダメになる」という意見もあり、逆に、尾木ママのように「叱らない子育て」という意見もある。
   私の考えは「どちらも必要である」である。褒めるだけでは、社会に出たときに耐性が身に付かず、すぐにドロップアウトしてしまう。逆に、叱るだけでは、意欲があまり育たない、もしくは感覚過敏の子どもでは萎縮してしまう。
   ただし、私が指導に当たるときに、いつも頭から離さないでいるのは、中京大で退官された鯨岡峻先生の考え方である。それは、
「“注意”も“受容”もどちらも必要である。ただし、
注意”よりも“受容”の方が多くなくてはならない。(の問題)
また、
注意”よりも“受容”の方がである方が望ましい。順序の問題)
という考え方である。
   ①の「の問題」については、精神科医の岡田氏の言葉を借りれば、教師が子どもの「安全基地」でなければならないからである。「先生は優しいけど怖い」と「先生は怖いけど優しい」の違いである。
   ②の「順序の問題」については、鯨岡氏の信念である「子どもの『ある』を受け止めれば、子どもは『なる』」という考え方に由来する。(意味は「子どものありのままを受け止めれば、子どもはあるべき姿に向かってなろうとする」という意味である。)
   子どもは必ず失敗をする。その時に、まず始めに、「どうしてああいうことをしたの?」とその子の気持ちを受け止めると子どもは、「先生は僕の気持ちを聞いてくれる」という気持ちになって自分の気持ちを話してくれる。それに対して「そうだったの、それはイヤだったね」と“共感”してあげる。すると子供は教師に心を開き、その後の“注意”を受け入れることができる
   しかし、この順序が逆になると、大抵(80~90%)の子どもは、自分の気持ちを言えなくなってしまったり、萎縮して教師からの“注意”を理解できなくなったりする。深刻な場合になると、人権問題にまで発展したりすることがある。最もまずいのは、子どもからの信頼感を失ってしまうことである。
   この原則と、“子どもに愛情を注ぐ力”があれば、叱ることを恐れることなどない。子どもの気持ちが教師から離れることなどない。