【今回の記事】
少子化問題について

【記事の概要】
   内閣府が平成26年に作成した少子化問題を分析した資料からの引用です。
   更に、今の現状に対する対策として、以下の事を挙げています。
「少子化対策が急務。当面は、人口減少が続くことから、人口減少に対応した経済社会づ
くりが必要。」

【感想】
「今現在、我が国は少子化問題の解決策についてはどのような認識にあるのだろうか?」そういう疑問から調べてみた内閣府による要因分析

   内閣府は少子化の要因として「結婚しない結婚できない者の割合が増加している」「結婚する時期が遅くなっている」「夫婦が持つ子供の数が少なくなっている」を挙げています。
   しかし、なぜ「結婚しない結婚できない者の割合が増加している」のか?なぜ「結婚する時期が遅くなっている」のか?なぜ「夫婦が持つ子供の数が少なくなっている」のか?そこまでは残念ながらふれられていません。
   更に少子化に対する対策は、「人口減少に対応した経済社会づくり」、とのこと。つまり、人口減少による“税収減”を穴埋めする為に、例えば、高齢者の医療費負担を増やすとか、消費税を上げるとか、他のところで国民の負担を増やす政策になるでしょう。
   しかし、この対策にもいずれ限界がやって来るでしょう。このことは、30年後の社会生活を想定した内閣府のシナリオを見ても明らかです。1人の若者が1人の老人の毎月の年金を支えなければいけなくなる、現在と同レベルの社会保障制度を維持する為には現役世代は収入の9割を税金として納めなければならなくなる等、今の子供達が働き世代になった時に待ち受けている社会はもはや崩壊状態になっているかも知れないのです。
   逆に国民の手取りを増やそうとすると、税収が減ることによって公共サービスが手薄になり、夕方になっても路上にはゴミ袋が山積みで放置されている。切れた電線が垂れ下がって火花を散らしたままになっている。119をダイヤルしても救急車は一向に現れない。そんな“スラム化”した社会が現実化するかもしれないのです。

   先の人口減少による“税収減”を穴埋めするような、いわばモグラ叩きのような「対処療法」では、いつか限界がやってきます。1人の方が楽、異性と付き合いたいと思わない、ましてや結婚などもってのほか。結婚しても直ぐにセックスレス状態になったり離婚したりする。こうした、他者や異性との“絆”が希薄化している問題を根本から改善する「原因療法」を見出さなければなりません。その手がかりを提供してくださっている一人が、私が敬愛して止まない「愛着」研究の第一人者である精神科医の岡田尊司氏なのです。

   最近では「AI」技術による人口減少を補う研究も進んでいるようですが、仮にこの対策によって人口減少は補うことはできていても、愛着不全が要因となって起きる、いじめ、不登校、ひきこもり、非行、家庭内暴力、恋愛・結婚回避、セックスレス、離婚、薬物依存、家族内殺人等、昨今毎日ニュースで報道される凄惨な問題は更に増加することでしょう。

   なお、日本の将来に役立つ「愛着」形成を促すことは、とりもなおさず、我が子の一生にわたる幸せを築くことに他ならないのです。