【今回の記事】

【記事の概要】
   ママの毎日は、ある意味、戦い。子どもを感情的に叱ったあと、言いようのない後悔に苛まれる…。そんな経験は、どんなママでもしているはず。けれども、私って、毒親?」「これって、虐待?と、自分で、自分のことが不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。
「まずお伝えしたいことは、怒りはあなた自身ではないということです」と言うのは、NPO法人「えじそんくらぶ」代表の高山恵子さん。「怒り」との上手な付き合い方について、お話を伺いました。
「アンガーマネジメント」という技術
「アンガーマネジメント」という言葉を、聞いたことがありますか? アンガーマネジメントとは、心理学に基づいた怒りを扱う技術のことです。最近は教員採用試験にも出題されるなど、子どもと接するすべての大人にとって必須な技術として注目を集めています。
   じつは、怒りの感情が沸くことは、人間としてごく自然なこと。「『怒り』との付き合いで大切なのは、まず『怒りという感情』とあなた自身を分離することです」(高山さん)

自分は、いま、怒っている」と、きちんと自分で気づいてあげること。そうすることで、「感情」と「あなた自身」は少し分離されます。

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怒りの応急処置は、「最初の6秒」がカギ
   アンガーマネジメントの第1歩は、自分は、いま、怒っている」と気づき、「今、ここあにある怒り」を、それ以上大きくしないことです。サインが現れた段階で「怒り」に気がつくことができれば、それだけ早く“爆発を防ぐための行動に移行ができます。
   キーワードは、最初の6秒。「怒りのサインに気づいた最初の6秒間をどのように使うかが、アンガーマネジメントの重要なポイントです」(高山さん)
   この時点で「怒りの素」を深追いするのはご法度!「どうして、イヤばかり言うの?」「どうして、早くご飯を食べられないの?」。そんな怒りのもとを考え始めたら、炎に燃料をくべるようなものなのです。

<早く気がつこう!怒りのサイン>
・呼吸が浅くなる
・頭が真っ白になる
・顔がカッと熱くなる
・動悸がする

   なぜ「最初の6秒」がカギになるのでしょうか? それは、怒りには、「アドレナリン」というホルモンが関係しているからです。怒るとき、体の中では、「アドレナリン」が分泌されています。アドレナリンには体を活発にする作用があり、怒っているときには、まさに「火に油を注ぐ」ように怒りがエスカレートしていきます。
   しかし、カチンときてアドレナリンが分泌されても、6秒後にはそのピークは過ぎるといわれています。言い換えれば、怒りの応急処置法とは、「最初の6秒を、いかに上手にやりすごすのか?」の方法論を知っておくことなのです。
自分が怒っていると気がついたら
「最初の6秒」を、ただ我慢するというのは、意外と難しいものです。そんなとき、物理的な「応急処置メニュー」を知っておくと便利です。「あ、ヤバいな!」と思ったら、それをパッと取り出しましょう。
<怒りの応急処置メニュー3つ>
●おでこに手を当てて数を数える
   目の真上、おでこの少し出っ張った部分には前頭葉があります。前頭葉は感情を制御する脳手を当てて血流の動きを促すことで、動きを活性化させます。
●水を飲む
   水は、火を消すもの。水を飲む時には、心の中で燃えている怒りの火を鎮めることをイメージします。水を飲むことで、脳の血流を改善する効果もあります。
●深呼吸をする
   吐く時間のほうが長くなるよう、4秒吸って、6秒かけて吐きます。息はから吸って、から吐きます。肺から体のすみずみに新しい空気がめぐるイメージです。

怒ってしまった自分に声をかける
   また、自分で自分に声をかけてあげることも有効です。「言葉の力は、思っているよりも強く、確かなものです」(高山先生)セリフトークは、短く簡潔に! 大切なのは、しっかりと何度も唱えることです。
<怒りをしずめるセルフトーク例>
・「落ち着いて
・「私は大丈夫
・「コントロールできる

   もうひとつ。「『ママ、ちょっとあっちの部屋で休んでくるね』と、その場を離れることも効果的です」(高山先生)その場を離れたら、子どもへの「続きのお説教」を考えることはやめましょう怒りの原因から心も離すことで、気持ちは切り替えやすくなります。

【感想】
「『自分は、いま、怒っている』と、きちんと自分で気づくことが出来ること。そうすることで、『感情』と『自分自身』は少し分離される」
これは、自分をもう1人の自分が客観的に見つめている状態(心理学で言う「メタ認知」)です。「客観的に見つめている」ということは、主観的な思い込みにとらわれていない、冷静な状態にあるという事が言えます。

   さて、今回の記事の一番の注目点はここです!
カチンときてアドレナリンが分泌されても、6秒後にはそのピークは過ぎる
つまり、その6秒間さえ我慢できれば怒りのピークは過ぎるのです。しかもその6秒間を乗り越えるための具体的な方法として、「3つの応急処置メニューや「怒りをしずめるセルフトークまで提案されています。
「怒りの感情が湧いてきた時には、こう対処すれば大丈夫」という見通しがあると、私たちは子供の問題行動を目の前にしたときにあまり慌てずに済むはずです。いわゆる“想定内”と言う状況です。

   また、私は先にもう一つ、子供が問題行動を起こしたときの対処の仕方をブログで以下のように提案しています。
決めつけた指導をしないようにするために、穏やかな口調で子供の気持ちや言い分を聞く
(穏やかな言い方で)どうして………しちゃったのかな?
子供の心を素直に反省に導くようにするために、子供の言い分を受け止める
そうか、あなたは………したかったのね。

   問題行動を起こした子供に対して、このように対応すると、その後の“注意”の口調も自ずと穏やかな言い方になります。まずはこのように対応すれば子供は心を開いてくれる」と覚えておく事で“見通し”が立ち、やはり“想定内”の状況にする事が出来ます。

   更に、今回の内容は“対子ども”だけでなく、“対夫(妻)”にも有効に働くと思います。
子供が親同士の暴言DVを目撃した方が、身体的DVの目撃より6倍も子供のの発達への悪影響の度合いが大きいという専門家による指摘があります。子供がいる前で、パートナーに対する怒りが湧いてきた時もアンガーマネジメントで対応したいものです。