【今回の記事】

【記事の概要】
①癇癪(かんしゃく)持ちの子どもの対処、みなさんどのようにされていますか?私は息子の癇癪に付き合っていくうちに我が家の正解を見つけました。
息子は割とひどい癇癪持ちです
   2人目の息子は何か気に入らないことがあると「ギャー」っと泣いて癇癪を起こします1人目の娘が癇癪を起こすことがなかったので、正直初めはすごく戸惑いました。更に10ヶ月の頃は全然言葉も出ていないときだったので、何かを訴えていますが、何が嫌なのかわからず…
私「こうしたいの?」
息子「ギャー」
私「じゃこう?」
息子「ギャー」
の繰り返しで、「じゃぁ一体どうしたいの?」と怒鳴ってしまうこともしばしば…。
   外出中にそれが起これば周りの目も気になりますし、外出もおっくうになり、息子の泣き声にイライラしてしまうようになっていました。
へこんでいたことがきっかけに
   ある日何をしても泣く息子を見て呆然としていました。あのときはあまりのイライラにちょっと思考回路が停止していましたね。でも呆然と見ていると、泣くだけ泣いたら私の元に寄ってきたんです。そして素直に抱っこされて気を取り直しました
その日からは見守ることに
   私は何か原因があって、それを解消して欲しくて癇癪を起こしているんだと思っていましたが、息子の場合はそうではないようでした。何か癇癪を起こす原因はあるんですが、泣いてるときはそれを解消してほしいというより、自分のいらだちや悲しみを発散させているようです。
   その日から、癇癪を起こしてもひたすら見守ることにしました。それは外出先でも同じです。あまりに人がたくさんいるところの場合は迷惑がかからないところに移動して、泣くのを見守っています

お出かけの時に不安になることと言えば「子どものぐずり」ではないでしょうか。レストランでやっと出てきた食事、食べ始めた途端泣き出す我が子に愕然という経験、私もあります。そんな時「いい加減にしなさい」と言っていませんか?
怒るとヒートアップ!まずは耐えよう
   きっと誰しもが経験のある外出先でのぐずり。『グズグズからの泣き喚き』に親としては、「こんなところでやめて」「静かにして」「いい加減にして!」とついつい怒りたくなってしまいますよね。でも、これってかえって子どもが逆上する対処法だったんです。まさに火に油を注ぐというか、泣き止むどころかもう手がつけられない状態までヒートアップする最悪の事態に…。
   じゃあどうする?ママとしてはこんな場所で恥ずかしい、迷惑、周りの目が…と急いでなんとかしようと焦りがちですが、とりあえずママ自身が落ち着いて怒るのを堪え子どもがどうしたいのか、何に気分を害しているのかを考えるのが先決だと思います。
そっと抱っこで場所を変え、気分転換に
   早めの段階で対処できれば、泣き喚いてどうしようもないという事態を避けることができます。例えば、おかしが食べたいなら休憩を取ることができますよね。でも、レストランなどに入って、すぐには帰れない状況にあるときは、怒らずに抱っこお店を出て子どもの気分が落ち着くまで気分転換するのがベストだと思います。その場でどうにかしようにも、周りに気を使ってしまいますし、イライラも募ります。泣いても気にならない場所に連れて行ったり、場所を変えるだけで子どもが落ち着くこともあるので、なるべく子どもがヒートアップしないうちに早めに対処するといいですよ。

【感想】
   今回の話題は、外出先で子供が癇癪を起きした時の子供への対応の仕方について。
   しかし、今回の記事の①と②とでは、①「見守る」と②「抱っこ」とである意味逆の対応が提案されています。皆さんはどちらの対応が望ましいと思いますか?
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   今回は、わが国の愛着研究の第一人者である岡田氏の愛着形成の考え方からアプローチして考えてみたいと思います。

   困った事が起きて赤ちゃんが泣いているにも関わらず、母親から放っておかれている時に、赤ちゃんの中ではどんな事が起きているのでしょうか?その事について、私は以下のような記事を投稿しています。
この「愛着の話」シリーズは、殆どが先の岡田氏やその他の愛着専門家の文献を一般の方でも読みやすいように、内容は変えず文章表現だけを変えて書き直したものですが、上記の記事の中では、岡田氏の文献から次のような事を紹介しています。
「子どもは最初母親を探し出そうとしたり、泣きわめいたりして、お母さんを呼び戻そうとします。そして、お母さんが来てくれないことに対して怒り抗議をぶちまける抵抗』と呼ばれる段階を経ます。」
「それでもお母さんが戻ってこないということになると、子どもは泣くのを止めますがが、しょんぼりと落ち込み、自分がお母さんから見捨てられたと思い、打ちひしがれます。お母さんさんへの期待は乏しくなり食欲も低下する『絶望』と呼ばれる段階に至ります。」
「更に時間が経つにつれ、お母さんを求める気持ちはほとんど無くなっていき、お母さんの姿が心から消えていく脱愛着』の段階に達します。」

   この記述からわかる通り、赤ちゃんは泣きながら常にお母さんを求め続け、時間が経つにつれ、母親に対する思いが弱くなっていきます
   記事①の場合は、お母さんが側にいるという状況ですが、赤ちゃんからすると、逆に側にいるだけに、「どうしてお母さんはすぐ近くにいるのに助けてくれないの?」という疑問不安が起きるのではないでしょうか?しかも、その時のお母さんの見守りに「早く泣きやまないかな?」という思い等から“微笑み愛着を形成する為の愛情行為の一つ)”が失せてしまっていたりすると、赤ちゃんの目には“冷たいお母さん”として映るかもしれません。その結果、赤ちゃんにとっては、困っている原因よりも、その不安感の方が強くなり、止むを得ず抱っこを求めてお母さんのもとへ行くのではないでしょうか?
   何れにせよ、泣く度にお母さんは自分が泣き止むまでは助けてくれないという経験を繰り返すのですから、「お母さんはなかなか助けてくれない」という“学習”が積み重なっていくことになり、「回避型」の子供になる危険が高いと考えられます。

   また、やはり岡田氏はマインド・マインディドネス(子供の心に関心を向ける気持ち)」の大切さを次のように指摘しています。
「『マインド・マインディドネス』を持った親は、子どもの“の状態に関心を注ぎ、子どもが感じていること考えていることを大切にします。逆に『マインド・マインディドネス』が乏しい親は、子どもの気持ちやその原因よりも、外に現れている欲求や満足、行動の結果ばかりを問題にしたがる傾向にあります。」
   記事②でのお母さんは、「子どもがどうしたいのか何に気分を害しているのか考えるのが先決」とおっしゃっていますが、これは正に「マインド・マインディドネス」の表れと言えます。逆に、“赤ちゃんが泣き止む”という行動が表れるまで手を差し伸べないというサポートは「マインド・マインディドネス」が乏しいと言えるかも知れません。

   なお、記事②では、次の指摘もしています。
子どものグズり対策グッズは何点か持って出かけたいものです。好きなおかし好きなキャラクターのおもちゃお気に入りの飲み物などは用意しておくと安心です。うちでは、お絵描きセット、シール、ガチャガチャのおもちゃなどを忍ばせています。グズる前に機嫌を直してもらえればママも楽ちん!」
昨今は「スマホ育児」という言葉も聞かれるようになり色々な問題が指摘されていますが、スマホに頼らなくても、上記のようなグズり対策グッズは十分効果を発揮しそうです。