【今回の記事】

【記事の概要】
 タレントの清水アキラ(63)が12日、タレントで三男の清水良太郎容疑者(29)が覚醒剤使用容疑で逮捕されたことを受け、都内の自宅兼事務所前で取材に応じた。
   雨の中、清水アキラは「馬鹿野郎って言って突き放したいですけど家族ですから。家族がみんな一生懸命やってるんですけれど。厳しくやってるんですけれど、でもそういう奴もいると言う。でも家族なんですよね」と号泣した。
   さらに、「自分の事務所はクビにして、自分で歩いてもらいたい」と解雇すると明言。「私の育て方がダメだったんだと思います。ウチは厳しくて何かあればひっぱたいてたりしてたんですが、それが逆に嘘つきになっちゃったんでしょうかね。そんな気がします」と話した。
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【感想】
   インタビューに対して号泣する清水氏に、これまで息子を一生懸命育ててきた強い想いを感じます。

   以下に今回の記事を通して感じたことをお話ししたいと思います。
厳しく厳格にの落とし穴
ウチは厳しくて何かあればひっぱたいてたりしてた
清水氏が言うような子育てに対するこの考え方は、清水家に限ったことではなく、多く存在すると思います。
   しかし、そこに精神科医の岡田氏が危惧する、“通常の家庭でも子供を愛着障害にしかねない親の否定的、支配的な養育態度」”が潜んでいるのだと思います。この養育態度は、今の家庭の中で最も典型的に見られる現象だと岡田氏は指摘します。親御さんの“厳格な思い”が先走り、つい否定的な言葉が出てしまうのです。
   その中でも、厳格で、褒められることが少ない親に育てられた子どもは、親の強い要求について行けず、何かに挑戦しようとする気持ちが薄れ行動する意欲も減退していくそうです。
   また、できた時は褒めるが、出来なかった時には過度に厳しく叱責するに育てられた子どもは、いつも親の顔色を気にしながら生活するようになり、親に叱られない為に失敗を隠したり嘘をついたりする事が多くなります。成人してからもいつも人の反応が気になる不安な気持ちで生活するようになっていくそうです。

   しかし、「厳格で厳しく」という子育ての方針は昔から存在しているものです。なぜ、昔はよくて、今は問題が発生するようになったのでしょうか?
   現代では昔に比べ、母子の間の「愛着(愛の絆)」が薄れる「脱愛着化」が確実に進んでいます。その原因については、以前投稿した以下の記事でお話ししています。
母子の間の「愛着(愛の絆)」が薄弱化した現代においては、子どもの人格不安定なものになり、現在よりも「愛着」が強かった昔に見られていたような親の力による支配的な養育が通用しなくなってきているのです。そのことについては以前投稿した以下の記事でお話ししています。
この中で私は、「仮に、“愛の鞭”なら体罰は許されるということになった時に、“愛の鞭”と“虐待とが混在する事なくきちんと使い分けができるのでしょうか?単なる“親の怒り”という“感情”で体罰を使うという状況は生まれないのでしょうか?」と疑問を投げかけ、“愛の鞭に名を借りた感情的な体罰”の危険を指摘しています。
   そのような親の元で育てられた、“現代”の人格が不安定な子ども達は、子供の頃は「混乱型」と言う愛着パターンを示し、成人後は「恐れ・回避型」と言う「愛着スタイル」を示しやすいとされています。この「恐れ・回避型」の愛着スタイルの持ち主は、対人関係を避けて、ひきこもろうとする人間嫌いの面と、人の反応に敏感で、見捨てられる不安が強い面の両方を抱えていて、疑い深く、被害妄想的傾向に陥りやすいのです。

◎ではどうすればいいのか?
   では、どのような子育ての仕方が望ましいのでしょうか?先に述べたように、力による支配的な養育にならず、かつ子供ができた時とできない時の接し方に著しいギャップが生まれないような子育て。それが、以前からこのブログで指摘し続けてきた「自立3支援石川尚子国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチ監修)」、つまり「見守る任せる命令しない」の支援です。
   なお、この中の「命令しない」というのは、いくら「子供に任せて見守っている」と言っても、時には子供がつまずくこともあり、その時は助言や注意をしなければいけない場合も出てくるのですが、その時に“押し付けるような命令的な助言(例「そういう時は、……しなきゃダメでしょ!」)”をしないと言う意味で用いています。しかし、「命令してはいけない」というネガティブな表現では、「じゃあ具体的にどんな言い方をすればいいのか?」というイメージが不明確になってしまいます。そこで、以下の記事で述べているように、
子供への注意は“諭す”言い方で行うのが理想的と考え、今は「任せる見守る諭して助言」という「新自立3支援」がベストだという考えに至っています。