【今回の記事】

【記事の概要】
 23日午後、千葉県柏市の川で水遊びをしていた小学生3人が溺れ、小学3年生の男の子1人が心肺停止の状態。
 警察などによると23日午後3時ごろ、千葉県柏市の大堀川で水遊びをしていた小学2年生と3年生の男の子3人が溺れた。近くにいた人が「助けて」という叫び声を聞きつけ、2人はすぐに救助されたが、小学3年生の男の子1人の姿が見えなくなったという。約1時間半後、男の子は近くの川岸に打ち上げられているのを消防隊に発見され病院に搬送されたが現在も心肺停止の状態
 現場の川は、深いところで水深4メートルほどあり、事故の直前、釣り人が「深いところもあるから危ないよ」と子どもたちに声をかけていたという。

{2DE40812-F864-46CA-9E77-9DD4A3407AE3}

【感想】
   川遊びをしていて溺れる事故が多発しています。しかし、子供は川の危険さをあまり知らないと思われます。が、大人ならそれが分かります。この子供達は、どこに出かけるか大人に伝えてあったでしょうか?もしも知らせていれば、大人が何らかの注意や遊びの変更を指示していたかも知れません。
   今回の事故に限らず、出かけるときは、行き先を家の人に伝える習慣は大切です。ただ、昨今の「核家族」や「1人親家庭」の増加の中では、親が仕事でいないという場合もあるでしょう。そういう家庭では、前日のうちに、分かっている範囲で構わないので、「明日、友達と川遊びをして来る」等と親に伝える習慣をつけさせるべきだと思います。我が子が自分の知らないところで命を落としていた等という悔やんでも悔やみきれない事態にならない様にしたいものです。
   もちろん、子供たちの遊びを親が全て周知出来るわけではありません。ということは、子供たちは自分自身でこの遊びは安全か?危険か?」を判断する力を身につけておく必要があります。その為にも普段からニュースの報道などを通して子供に川遊びの危険さを教えておく事が必要だと思います。そうすれば、誰かが「うちのお母さんが『川遊びは危険だ』と言ってたから、別の遊びにしない?」と自分達でブレーキをかけることもできると思います。

   しかし、今回の事故で最も注視しなければならない事は、事前に他の大人から「深いところもあるから危ないよ」と伝えられていたにも関わらず、子供達が川遊びを続けていたという点です。その大人の人からの助言を聞いて、「じゃあやめようか」と注意を受け入れなかったのは、これも地域の人間関係の希薄化の影響でしょうか?
   以前このブログで、「他の家の子供に声をかけない」という取り決めがなされたマンションがあったという記事を投稿しました(詳細は、「「子供に挨拶しないでください」〜子どもに指導すべきことは何なのか?〜」参照)。きっかけは、ある小学生の親御さんから、「知らない人に挨拶されたら逃げるように教えているので、マンション内では子ども達に挨拶しないでください」という要望が出されたことでした。これは、「知らない大人」に対する警戒感が必要以上に大きくなっている弊害だと思います。
   もしかしたら今回の場合も、見知らぬ大人から受けたアドバイスに対して、「知らない人だから、注意を真に受ける必要はない」と思ったのでしょうか?それでも、普段から「川は急に深くなっているところがあるから危ない」と親から教えられていれば、「うちのお父さん(お母さん)と同じことを言っている」と、親からの注意が頭によみがえり、行動を制御できたかも知れません。つまり、親を中心として世の中の大人たちが同じように子供たちに声掛けをすることが大切ではないかと思います。

   私は在職中、子供達に「家族や地域の方々等の大人の言うことは大切に受け止めなさい」と常々話していました。子供達が、全ての見知らぬ大人の言う事に対して警戒感を持つようになってしまっては、これからの社会は成り立たなくなるでしょう。今一度、地域の繋がりの大切さを見直す必要があるのではないでしょうか?