【今回の記事】

【記事の概要】
「住んでまだ3ヶ月しか経っていないけど、引っ越すことにした」
原因は何かと聞けば、隣人の騒音だという。彼女は週に何度か夜勤があり、明け方に帰ってきて昼間寝るのだが、日中お隣の子どもたちが騒ぎながら走り回る音で眠れないと困っていた。
   逆に子どもの泣き声がうるさいとクレームを言われ、引っ越さなきゃいけないと嘆いていた友人もいた。赤ちゃんの夜泣きは仕方ないことだし、子どもは故意で騒いでいるわけではないけど、不満を感じたことがある人は案外多い。
「SUUMO近隣トラブルに関する調査」(2015)によると、「近隣住民に不満がある」と感じている人は、一戸建て・集合住宅に関わらず約3割不満の中で圧倒的な1位は騒音45.9%
   騒音のなかで、かなり気になるものを順位付けすると、1位 子どもを叱りつける親の声 21.0%、2位 子どもの騒がしい声 20.8%、3位 子どもの泣き声 17.8%、4位 ペットの鳴き声 16.3%、5位 子どもの足音 16.0%と、5位以内に子ども絡みの騒音が4つもランクインしている。
   
【感想】
   記事冒頭の事例のように、夜勤勤めのある人は昼間の子供の走り回る音は睡眠の妨げになるために辛いとは思いますが、本来羽根を伸ばす場所である家庭という場で自然発生的に生まれる子供の音に対してはクレームをつけるわけにはいかないかもしれません。ただ、子供が意図的にジャンプするような遊び方をしていれば、それは親が指導するべきだと思います。

   さて、「近隣住民への不満」の中でダントツの1位が「騒音」。更にその騒音の中の5位までに子供がらみの音が4つもランクインしています。ただ、子供の「声」「鳴き声」「足音」についてはやはり自然発生的な要因が大きいので、これらを減らすのは難しいでしょう。しかし、第1位の「子どもを叱りつける親の声」については再考の余地がありそうです。
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   これまでにも、子供に対する厳しい叱責に関わる問題事例については以下のように度々扱ってきました。

これらの中では、それぞれ親が厳しく叱らずに済む方法も紹介していますが、行き着くところは、子供の気持ちを安心・安定に導くための「セロトニン5」や「セロトニン6」。また、支援の方法は似ていますが、親子間の愛着(愛の絆)を形成・維持するための「愛着7」。更に、親が余計な口を挟まずに自立的な子供を育てる「自立3支援」だと思います。
   これらの方法で子供に接すると、親が大きな声を出さなくても子供は素直に行動に移すようになります。更に親子関係も良好になり、親御さんのストレスも溜まりにくくなります。「一石三丁」と言ったところでしょうか?

   何よりも、親が子供を厳しく叱り続ける事で、子供にとっての“母親という「安全基地」”が逆に「危険基地」に変わり、その結果、一生に渡って子供の人格形成に影響を与える親子間の「愛着(愛の絆)」が破壊されることが、その子供が成人後に様々な社会問題を起こす事に繋がる最も憂慮すべき事態です。つまり、先に挙げた“親が厳しく叱らずに済む方法”は、親子間の「愛着(愛の絆)」を維持するための方法と言えるのです。