【今回の記事】

【記事の概要】
(「カリスマ塾長」として名高い啓明舎塾長後藤卓也先生から子供達へのメッセージ
{9BB98347-9B2B-4D90-90EA-10959CD5791A}

   これは東大の先生から聞いた話ですが、最近は、「ウチの息子はきょうの講義を風邪で欠席したのですが、来週までの課題は何でしょうか?」という電話をかけてくる(東大生の)母親がいるそうです。でも、これはまだマシな方。「今度の合宿の持ち物はなんでしょうか?」「合宿の部屋割はどうやって決めるのですか? ウチの子はどんな人と同じ部屋になるのでしょう?」「もちろん先生(女性)とは別の建物に泊まるのですよね?」なんて聞いてくる強烈なママさんもいるそうです。

   頑張って「偏差値の高い」中学に合格する。でもまたすぐに塾や予備校に通わされる。それもすべてママが決める。そして見事、東京大学に合格する。その結果が「これ」です。こんな有り様で日本は「グローバル化社会」を生き抜いていけるのでしょうか?

(中略)

   私は自分の教え子や読者のみなさんに、こんなしょうもない大学生にはなってもらいたくありません

   今はまだ小学生ですから、お弁当を作ってもらうのも、送り迎えをしてもらうのも、問題集のコピーをとってもらうのも、マルつけ(採点)を手伝ってもらうのも、ご両親にいろいろ助けてもらうことは仕方ありません。ただし、勉強するのはあくまでも君たちです

   6年生になって急に成績が下がり始める子がいます。たいていは、ずっとお父さんかお母さん、もしくは家庭教師の先生がずっと勉強机の横について、「勉強させられていた」子たちです。テストの出題範囲が広くなり、内容も難しくなっていくと、「させられる」勉強では絶対に対応できなくなります。実際の入試問題は、もちろん「出題範囲」なんか決まっていないし、いくら「過去問」の対策をしても、まったく同じ問題が出題されるわけではありません。結局、最後は「自分でなんとかする」しかありません

   ちょうど今の時期、つまり6年生になって勉強内容が難しくなり、いよいよ志望校に向けての勉強が始まるこの時期こそ、「自立」に向けての第一歩を踏み出すべきときです。「わからない問題はすぐにお父さん(や家庭教師の先生)に聞く」ではなく、まず自分で解説を読んで考える。「宿題をやりなさい」と言われてしぶしぶやり始めるのではなく、自分から机に向かう

   テストの成績は一時的に下がるかもしれません。「これをやりなさい」と言われた通りに勉強をしていたほうが、目先のテストの点数は上がるでしょう。でも、ここがみなさんの受験にとって大きなターニング・ポイント(転換点)です。

   この時期に成績が下がり始める理由はもうひとつあります。それはみなさんが「反抗期」にさしかかっているからです。これまで「頑張って××中に合格しようね」とか「あとちょっとでクラスが上がれたのに、惜しかったね」とお母さんに言われて「そうだな、もうちょっと頑張ろうかな」と思っていたのが、「なんでちゃんと勉強してるのに、いつもそんなことばっか言うんだよ!」と反発したくなりませんか?

親に小言を言われてムカッとくる」気持ちがあるなら、その「ムカッ」を勉強にぶつけなさい。親と戦ってもなんにも得るものはないけれど、目の前の課題と戦えば、それは必ず自分の糧となります。そして、そういう気持ちで受験までの道のりを歩き通すことができれば、必ず「結果」につながります

   みなさんが、たくさんの困難を乗り越えて、たくましく育っていくことを、心の底から応援しています!


【感想】

   この後藤先生は本物の塾講師である。親に縛られいう通りに勉強して、ただ単に学力をつければいいと考える先生とは違い、子供の将来を見据えている。そういう確かな信念があるからこそ、今回のような子供達へのメッセージの言葉に力がこもるのである


   以前私は、次のような記事を投稿していた。

娘も東大理IIIに合格させた佐藤ママ〜子供にどんな力を付けなければならないのか?〜

実はこの記事の中で、「佐藤ママ」の考え方と対比するために、今回の後藤先生の記事の抜粋を紹介している。


   さて、後藤先生によれば、小学6年生で成績が下がる理由が2つあるとのこと。そのうちの1つは、それまでの“親の言う通りに勉強する学習法”から、“自分で考え判断して勉強する学習法”へと変更した場合だそうである。慣れない新しい事に挑戦しようとすれば始めは誰でも戸惑うもの。しかしそれは、勇気ある「自立への一歩」を踏み出した証。大人がお膳立てしてくれた効率的な学習をしていた時と比べると、目先のテストの成績は下がるかも知れないが、少なくとも冒頭に紹介されたような親から自立できない「しょうもない大学生」にはならない。それどころか、学習の仕方を自分で考えながら学ぶため、より自分にあった勉強法を習得し、目先のテスト向けではなく受験向きの質の高い学力を身に付けることができるだろう。


   今の会社が大学生たちに求めている能力のベスト3は

1位 「主体性

2位  「コミニュケーション力

3位  「ねばり強さ

だそうである。これらの力は、大人の言う通りに勉強した人が身に付ける力だろうか?それとも、自分で考え判断して最後まで諦めず取り組んだ人が身に付ける力だろうか?必死に大人の言う通りの勉強をしてせっかく東大に入っても、会社に合格できなければ何の意味もない。

   子供達には、後藤先生の言う「たくさんの困難を乗り越えて、たくましく育っていく」人間になれるように頑張って欲しい。