【今回の記事】

【記事の概要】
   障害を持ったある女の子が通常学級に在籍していたときのエピソードです。上記タイトルタップにてご参照ください。

【感想】
   障害児をお子さんに持つ親御さんは、多くの方が「通常学級がいい」とおっしゃいます。「普通がいい」、「みんなと同じ環境で生活させたい」、そう思うお気持ちはよく分かります。しかし、今回の記事のような事例を耳にする度に、果たして本当にみんなと同じ環境にいることがその子供の幸せにつながるのか?ということを考えさせられます。
   知的な面で遅れのある子供や、発達障害を持つ子供たちは、その多くが小学校生活を通常学級の在籍から始めます。先のような親御さんの希望からです。
   しかし、その環境に適応できず、「僕は馬鹿なんだ」「僕なんか地獄に落ちればいいんだ」と自分を責める子供たちがたくさんいます。その後、結果的に特別支援学級に籍を移す子供さんも多いのですが、そのほとんどが、通常学級にいた頃の生活の様子と変わって、目を輝かせて毎日の生活を送っています。なぜなら、特別支援学級では、一人一人の子供の特性に応じて、きめ細かな指導ができるからです。
   私事で恐縮ですが、ある学校に勤務していたとき、2年生まで通常学級で生活していた知的な遅れのある男の子がいました。その男の子も「僕はバカなんだ!」と激しく自分を責めたそうです。そこで学級担任が両親と話し合って、3年生から特別支援学級に籍を移し、私が担任になりました。4月の頃は、「どうせ俺なんか…」と言うのが彼の口癖で、表情も暗かったです。しかし彼の実態に合った課題を与えると、正解することが多くなり私からたくさん「⭕️」をもらいました。学習意欲は俄然と向上し、それとともに生活の様子も明るくなりました。特に校内での“積極的な挨拶”は素晴らしく、私はたくさん褒めました。その結果、彼の挨拶は通常学級の子供たちの手本にまでなりました。

   親が考えるべきは、「みんなと比べてどうか?」ということではなく、「我が子にとって幸せかどうか?」という事なのです。
   また、私達学校側も、「親が希望するから」という安易な判断ではなく、「子供の成長にとってどちらの学級が望ましいのか」ということを親御さんに説明し理解してもらえるよう努める事が教育のプロである人間の使命ではないでしょうか?

P.S
   なお、親御さんには様々な思いがあるとは思いますが、子供がいる前で支援学級の悪口を言うことだけは厳禁です!子どもに不適切な差別意識を抱かせることになりますし、親が話していることを覚えて、それを学校で口に出すことがあります。そんなことが起きれば、子どもが周囲から大顰蹙(ひんしゅく)をかうことになりますから要注意です!